ある意味現時点での決定版か
★★★★★
系外惑星の研究は理論研究と観測の両面から進んでいるわけだけど、この本ではどちらかに偏ることなく、先頭を走る4人の研究者が分担して書いていて、理論と観測のバランスがよいと思う。つまりこの分野の全体的なことがわかる。現状では日本語の一般向けの本が少なく、こういうのはありがたい。
本は軽いが内容的にはなかなか深い。惑星のいろいろな話題を取り上げていて、地球外生命については最終章で本質的なことに触れられているが、全体的には惑星そのものの話が多く、すべての話をヘンに地球外生命につなげようとしていないのも好印象。
太陽系以外の惑星というと、昔の本や講演などでは、へびつかい座のバーナード星とか、ペガスス座51番星のことがよく語られたことを思い出すけど、その話がその後どう決着したのかもわかっておもしろい。