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「無限と連続」の数学―微分積分学の基礎理論案内

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京図書
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連続の概念を鑑賞する ★★★★★
数直線やグラフを用いた幾何学的な「連続性」の理解から、
それらを用いずに厳密に論証するためのアイディア=εーδ論法や区間縮小法の理解へ
高校の微積分から大学のそれへの躓きの難所を非常に分かりやすく手ほどきしてくれます。
語りかける本書の内容を読み進むうちにいつの間にか、
εーδ論法や区間縮小法の応用範囲の広さ=便利さを味わうことが出来るようになり、
気がついたらεーδ論法や区間縮小法さえ必要ない世界=位相空間の入り口に立っています。
本書のまえがきで著者は、
「連続性」に関する一見当たり前と考えていた事実が数学的に証明される様子をじっくりと鑑賞して欲しい
と述べていますが、まさにそのような心境にさせてくれる、すばらしい一冊です。
高校から大学への橋渡しに最適 ★★★★☆
高校では受験のため具体的問題を解くことが得意な人が、大学でのエプシロン、デルタ論や位相空間論とのギャップを感じ数学嫌いになる、そのギャップを埋める最適本です。「何回でも微分できる関数は無限次元の多項式で表わすことが出来る」というテーラーの定理(マクローリン展開)は根本にロールの定理がある。実数や関数の連続性。関数論の始めに出てくる「ハイネ=ボレルの被覆定理」やコンパクトの説明もあり。「閉区間で連続な関数は最大値と最小値をもつ」というワイエルシュトラウスの定理は位相という観点から「コンパクト集合の連続写像による像はコンパクトである」と捉えなおせること。など参考になります。引き続き同じ著者の「トポロジー万華鏡〈1〉」と石谷 茂「初めて学ぶトポロジー」を読むことをお薦めします。
驚きました ★★★★★
しっかりした本で驚きました。区間縮小法による厳密な議論がなされています。特にリーマン積分の存在まで一貫した記述になっていて、これは教えるときにもとても効果的だと思います。
現在大学では理科系でもε-δは教えなくなってきていますが、区間縮小法とともにこの理論を教えれば微積分学の大学における再生が可能になるような気がします。
そして、読了できる本であることがすばらしいです。完読できます。日本語の数学の本でどんな簡単なものでも完読することの困難さは誰もが感じることだとは思いますが、本当に完読できます。従って、楽しい。
ε-δ論法の位置づけが秀逸 ★★★★☆
 「ε-δ論法」を大学教養課程の数学解説書は、「わかるかなー、受験勉強ばっかりやってきた君たちの頭ではちょっと無理かもね」という調子で扱ってきました。
 高校の受験参考書になると、「理解出来る余裕のある人はそのさわりだけ紹介します、理解できなくても心配ありません」という調子で、数学を根底から理解しようとする真面目な高校生をスポイルしてきたように思います。その結果、dx/dyは分数なのか演算を表現しているかの疑問を殺して、大学受験生は黙々と演習に励む結果を招いていたのではないでしょうか。
 ところが、本書は「ε-δ論法」は解析学が立脚する位相空間論の理解の支点として、無限や連続性の思考が端的に表現されていると捉える点において、類書と全く異なっています。
 大学受験勉強でお世話になった「平均値の定理」から始り、「ロルの定理」を通じ「ε-δ論法」を理解の支点として、位相空間理論への道筋をつけていく筆者の構成のうまさは長年大学教養課程の数学教育に携ってこられた豊富な経験からのフィードバックであると理解しました。
 本書の最後にはブックガイドがついており、さらに勉強を深めたい読者にも配慮が行届いた構成です。理系の高校3年生や予備校生、「一般均衡解の存在証明に位相空間理論の理解が必要になる経済学部生」が夏休みに読む本として、お奨めします。
日本の数学教育の問題点−−dy/dxの本当の意味は、日本の高校の教科書では分からない ★★★★★
 高校で微分を勉強した時、私は、dy/dxと言ふ式に関する説明にどうにも納得が行かなかった。高校の教科書や参考書がこの式についてどう説明するかと言ふと、先ず、dy、dxと言ふ記号をはっきりと定義もせずに紹介し、導関数はdy/dxとも書けると説明する。そして、そのdy/dxは分数ではないと述べる。ところが、その舌の根も乾かない内に、dyとdxを分離し、dy/dxを分数として扱ひ始めるのである。高校の教科書や参考書が、微分方程式について書いて居る説明など、殆ど全て、この様な物である。一体、dy/dxは、分数なのか?それとも分数とは違ふ何かなのか、頭が悪い私は、数学書を読めば読むほど、分からなく成って行った。
 その頭の悪い私が、この本を読んで、dy/dxの意味を、初めて明快に理解する事が出来た。−−凄い本である。−−そして、私は、高校の教科書が、そもそも「微分」と言ふ言葉の本当の意味を教えて居ない事に、気が付かされたのであった。(詳細は本書第一章を読んで欲しい)もちろん、この本は、dy/dxの意味を説明する為だけに書かれた本ではない。微積分学において、ロルの定理がいかに重要な意味を持つか、を始め、定積分の意味を厳密に説明し、位相空間やイプシロン・デルタ法などにつての説明に進む、知的興奮に溢れる本である。
 私は、この本を高校の先生方に読んで欲しいと思ふ。微分とは何か?について、日本の高校の数学の教科書が述べる曖昧な説明より、この本が述べる様な厳密な記述の方が、はるかに分かり易い事に、教育関係者は気が付いて欲しい。

(西岡昌紀・内科医)