地に足のついたスピリチュアリティを求めていたとき、ひたすら抱きしめるダルシャンをしているこの聖女に興味をもって本書を購入しました。

内容は、すばらしかったです。
迷いのない人のことばは、ストレートであって押し付けがましさも、不必要なかざりもありませんが、本質を語ってくれています。雄弁でありながら、静かです。ダライラマにも似た静けさがあります。

質問者との質疑応答になっているのですが、質問の内容も深いものが取り上げられています。
精神世界の中で生じてくる疑問、たとえばカルマに対する対応、回避の仕方、など高度な質問にもわかりやすく答えています。
そして、その方法は、アマチに頼る必要がない、この場で自分で出来る方法が述べられています。心構え、心の持ち方の話のために、特定の宗教に依存する必要がない、神との直接交流の謙虚なシンプルな在り方です。

宗教の枠を超えた普遍性があります。

そして、常に神へとつなげていく適切な祈り方の指導があります。

謙虚な祈りのことば、そのことばの中でアマチは神との交流の仕方をわかちあっています。
聖女がどういうこころの態度を神にむけているがゆえに、聖女とよばれるか、とてもわかりやすいです。そして、この祈りかたをわたしもしてみましたが、確かに心がスーと静かに穏やかなりました。

本書だけでも発揮される彼女の霊的指導力は、すばらしいものがあります。
文化的、宗教的な枠をこえて一読する価値のある書であると思います。

21世紀の僕らの住む地球は怒りや悲しみで一杯です。
先進国も途上国も、持つ者も持たぬ者も、男も女も、大人も子供も、内も外も皆、問題を抱えて生きているのが現実だと思います。
こんな時代、南インドの貧しい漁村に生まれたアマチという女性が人々や世界を慰め、癒すために世界中を股にかけ活躍しています。

この本はそんな彼女と彼女の周りに集った人々との対話集をまとめた日本独自の編集本です。
どこを切っても金太郎飴のような深い愛と真理を感じさせるコトバ、それは小難しいお父さんというよりはやはりお母さんの暖かさを感じるやさしい語りです。

国連より贈られた2002年ガンジー・キング平和賞受賞スピーチ「普遍的母性の目覚め」も序章に収録されています。
母性の目覚めがこの時代のひとつのキーワードだと確信しました。