たしかに、カバーには映画のロゴがペタンと押されていますし、前書きがピーター・ジャクソン、後書きが同僚のアラン・リー、イアン・マッケランもあのあまりにも有名なガンダルフのイラストにお言葉を寄せている、という作りですから仕方がありませんが、ジョン・ハウの画業はもちろんトールキン世界だけではありません。ロバート・ホールドストック『ミサゴの森』など、翻訳もこの 表紙だったら買っていたかもという美しさ。本人は気に入っているのになぜか没になったという『琥珀の望遠鏡』、死都ブルージュを舞台にした絵本、なんだか内容がとても気になるRobbin Hobb "The Ship"シリーズなどなど、写実と幻想が見事に融和した世界を楽しめます。