米国公式報告書の民間版
★★★★☆
同時多発テロに関しては、アメリカ政府の公式報告書が出されているが、本書を読んでの第一印象はその民間版だなというもの。公式報告書より、戦後の中東でのイスラム運動が詳しく書かれていて、多発テロ部分は公式報告書よりはあっさりと書かれている点と、イスラム、米国機関の主要人物にフォーカスを当てた記述の違いはあるが。丁寧な取材を通じて書かれている事は参考文献などをみればわかるが、あくまでアメリカ人が書いた点には留意する必要がある。
但し、公式報告書のレビューでも似た様な事を書いたが、この様な内容をしっかり書こうというジャーナリズムの力強さには感心する。