ギャンブルにハマるとどうなるか?
★★★★★
「解けた」「解けない」の謎々はフェルマーの定理を始めとして多くの人間をギャンブルのような世界に引きずり込んできた。誰かが解けばみんな「ああ、やっと解放される」とほっとするが、そもそも解けない問題を「解けるかもしれない」と思って生涯かけて取り組むほど不毛なことはない。そしてさればこそそういう問題をわざと作りだして行方をくらます人間が出てきてもおかしくはない。ギャンブルにかけた人間の悲喜劇を描き出した異色本。
歴史のロマン
★★★★☆
古文書というものを見たことが無いので
本書で採り上げられているヴォイニッチ写本が
どれほど稀有なものなのか判らないのだが
多くの研究者や好事家を惹きつけてきたのは事実なのだろう。
この写本が本当は誰の手による、何のための写本なのだか
最終的に明らかにはならない。しかし、
本書はそれを明らかにしようとする書ではない。
代わりにこの写本に挑んだ数多くの先達が本書の主役である。
荒唐無稽の推測や推理を現在の立場から笑うのは簡単だ。
しかしこの写本に、真摯に挑んだ姿勢は興味深いのである。
陳腐な言葉ではあるが、心躍る歴史ロマンものなのだ。
こらこら
★★★☆☆
「写本のもつ美しさと不思議さに翻弄されるコレクターたち…。」
っておい!!!!!
どこがじゃ!へった糞だろうが。
この写本の面白さは認めるが、上の一文だけは認めかねる。
謎の本をめぐって
★★★☆☆
謎の写本「ヴォイニッチ写本」。
その歴史から、内容、「解読」の歴史などを
読みやすくまとめた一冊。
この本から得られる全体的な印象としては
ヴォイニッチ写本が
ロジャー・ベーコンの手によるものではなく
ある時代につくられた偽書でたいした内容が
書かれているわけではないということである。
類書がないために、ちょうどいいレベルの本だが、
写本そのものに対する考察がそれほど深くないので★3つ。
ヴォイニッチ写本についての素晴らしい入門書
★★★★★
「ヴォイニッチ写本」は全編が独特の文字と絵図によって成っている。本書は、同写本についてその出自・来歴から本文の暗号解読、図柄の解読などなどを包括的に議論している。特に、ドキュメンタリータッチで書かれているために読みやすい。(砕けた文体は人によっては評価の分かれるところかもしれないが、私はさして気にならなかった。)
関連知識の解説など一部冗長に感じた部分もあったが、読了してみるとそのような点も含めてヴォイニッチ写本について幅広い観点から考察する手がかりを示してくれているように感じた。
特定の仮説に偏ることなく同写本に関連するさまざまな事項を面白く解説してくれる良書である。