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死海文書のすべて

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 青土社
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ニケーア公会議以前のキリスト教団を知りたい研究者向け ★★★★★
「死海文書」は1947年に死海の近くのクムランという場所の洞窟の中から発見された文献(巻物)の総称で、加速器質量分析(AMS)で年代を測定すると紀元前3世紀〜紀元後2世紀に入るものが多数含まれております。
死海の巻物はイエス様や新約聖書をよりよく理解する為の貴重な資料として欧米のキリスト教学者らが40年以上の研究を行い、近年日本でも研究書の訳書、解説書を読むことができるようになりました。
ローマの地誌学者プリウスは著書「自然誌」の中で、死海の西側にエッセネ派の部族が住んでいたことを記載しており、死海文書の中の宗規要覧に記載された信仰や慣習がエッセネ派とよく一致しております。
死海文書の解説本は多数ございますが、死海文書の発見の経緯、性質、作成年代、文字的特徴、などを極めて明確に要約できているのが「The Dead Sea Scrolls Today(邦訳 死海文書の全て)」かと存じます。

「二つの道」という節より、概要を紹介しますと、
「二つの道があり、光の道と闇の道、善の道と闇の道がある。(中略)どの人間にも光の部分と闇の部分がある。たとえ光の子らの一人であっても、誰もが罪人なのである。」

またイエスが絶賛された洗礼ヨハネはエッセネ派ユダヤ教だった可能性の考察はとても有益かと存じます。


巻物から知るクムラン洞窟の人々の思想と慣習 ★★★★★
ヴァンダカームの著書は、死海文書への手短な学門的でまじめな入門書だ。宗教的な主観やセンセーショナルな奇をてらうところはない。紀元前2−3世紀から後1世紀のユダヤ教の宗派や歴史がわかる。何故洞窟へ、荒野へ人々はきたのか。エッセネ派かどうか、義の教師とはだれだったのか。キリスト教徒と関係があるのかないのか、など論じられている。
どんな巻物が学ばれたのか、旧約聖書の成立過程との関係も。国土の地理的場所のせいか、ユダヤの人々が歴史に翻弄されて終末思想を持たざるをえなくなり、メシアを待望したことが痛いほどわかる。巻物群がなぜ今まで公正に内容が発表されなかったのか、も解説されている。
勉強になりました ★★★★★
最近、死海文書本にはまっています。
クック著『死海写本の謎を解く』に続いて、
手にしてみたのがこの本です。

訳者の秦剛平氏によれば、最初に彼は出版社から
ゴルブ著『死海文書は誰が書いたか?』(邦題)の
翻訳を依頼されたとのこと。
これに対して秦氏が、
死海文書研究のものでは目下ベストと判断して、

出版社に紹介したのがこのヴァンダーカムの書物だそうです。

ヴァンダーカム氏は死海文書公刊プロジェクトの一員でも
あったそうで、公刊事業の内情に関してだけでなく、
死海文書をめぐる一連の学問的業績や動向についても精通しています。
この本では、クックの本よりも詳細に、文書とクムラン教団を

めぐる歴史学的、考古学的、古文書学的な検討がなされています。
著者自身の見解については、これから読む人のために
伏せておきますが、彼の議論は非常に説得的であり、刺激的です。
読んで非常に勉強になりました。

それから、秦氏の訳文もさすがと思わせるものがありました。
リズミカルかつスムーズな訳文でとても読みやすかったです。

ヴァンダーカム氏にはこの著以外にも重要な研究・概説書が多数
あるようですが、是非、秦氏の訳で、そして安価で出してほしいです。
一読者として期待しています。