本のタイトルを、冒頭から自分で否定しています
★★★★☆
現役の時のチャラいイメージと、
噂で聞く裏番長的な怖いイメージ。
そのどちらも全く感じさせない
謙虚な姿勢で分かりやすく書かれた良い指導書だと思いました。
本のタイトルと副題だけだと
逆に上から目線的な感じがすると思うのですが、
自身の体験に基づいた内容で
ライオンズファンじゃなくても楽しめるし、
「参考」というよりは
あらためて気づかされるという感じで
ものすごく共感できます。
例えばこんな内容がありました。
「勝つこと」と「選手が成長すること」どちらも嬉しい。
でも、どうしてもどちらかを選べと言われたら、
『僕は「選手が成長すること」を選ぶかもしれません』
この「かもしれません」がイイですよね。
ココのくだりとこの言い方で、
この本の良さが分かってもらえたらと思うんですが。
全てのスポーツ指導者、必見!
★★★★★
渡辺監督の選手時代からの波乱万丈の半生を基に、経験や新たな勉強で得た知識と回りの良い仲間との関係の中から導き出した指導論が
面白い。
明るい苦労人
★★★★★
ライオンズを解雇されて、台湾でのコーチ業を経験した異色の経歴のライオンズ監督
台湾での経験が生かしての日本一
そんな監督の本です
西武躍進の立役者
★★★★★
第二回WBCは、確かに日本が世界一に輝きました。
ただ渡辺久信が、もし全日本の監督を務めてたとしたら…。
そんな妄想が、頭の中を駆け巡りました。
2008年ペナントレースを制して、前年Bクラスからの日本一。
そしてアジアシリーズでは、クラブチームアジアNo1の座を獲得。
埼玉西武ライオンズを完全優勝に導いた名将が語る、リーダーシップ論。
選手の個性を引き出し、やる気を起こさせる為にはどうしたらいいか。
頭ごなしに叱り付けるだけでは、選手は成長しない。
目線を下げて、選手との対話を大切にする。
選手の中身を知ることにより、それぞれに合った指導法を確立する。
そういった何気ないことの積み重ねが、大事だと語る渡辺監督。
人の上に立ち、リーダーシップを発揮するために必要なこと。
そして勝つための集団を築き上げる方法。
そのテクニックが渡辺監督の体験談と共に、
著書の随所にちりばめられています。
自分がWBCの試合の中で、一番印象に残っているのは、
本戦の中で繰り広げられた試合ではなく、
日本代表VS西武ライオンズの強化試合でした。
中島、片岡という主力選手を、相手チームに奪われながら、
勝利したのは埼玉西武ライオンズ。
スコアは7-2で圧勝でした。
これは日本代表がWBC強化試合において、
クラブチーム相手に喫した唯一の黒星です。
全日本の先発=岩隈を打ち崩して、先制点を挙げたのは西武。
4回裏一点差に迫られた後、
逃げる西武が追加点を挙げるために選んだ戦略。
5回表にダルビッシュを攻略して、一死二三塁からのサインはスクイズ。
西武の9番バッター=原選手は、体勢は崩されたのですが、
難しいコースの投球に対して反応し、
きっちりと自分の仕事を成し遂げました。
この絶妙な作戦、そしてそれを忠実に実行する選手の姿に、
渡辺久信が理想とする野球の全てが、凝縮されているように感じました。
何気なく手に取った一冊ではあったのですが、
自分もこの本から受ける影響は大きかったです。
人を指導する立場にいる人間としては、
是非とも読んでおいて損はない一冊です。
若き指導者の考え方
★★★★★
西武黄金時代を工藤や郭らとともにエースとして築き、前評判の
低かった西武を就任一年目で見事日本一に導いた渡辺久信氏の
初となる単行本。
よく言われることだが、チームカラーはトップの人で決まってくる。
西武は若く勢いのあるチーム。やはりその雰囲気を作っているのが
渡辺監督であるということがよくわかった。若い選手は失敗するもの。
失敗して怒ることで得るものよりも失うものの方が大きいという自論を、
選手と密にとるコミュニケーションから導き出した。
その自論の下の指導の結果である積極性は西武の選手の果敢な走塁、
フルスイングから容易に窺うことができるし、選手と密にコミュニ
ケーションをとっていることは、優勝し胴上げされる時に、監督の
合図をもとに「1」の指を作った「まとまり」から分かるものである。
若い溌剌とした新たな監督像として伝わってきた。
組織として活性化するためには、押さえつけてはだめで、下の者の
気持ちをいかに持ち上げるかが重要であるかを教えてくれる本。
人を動かすためには、心を動かさなければならない。渡辺監督は
きっと選手の心を掴み、前評判では低かったチームを活性化させて
個々の能力を十分に発揮させたのだろう。