養蜂の入門書
★★★★☆
アメリカでは蜂群崩壊性症候群(CCD)によってミツバチが突然いなくなるという現象が発生しているということを「ハチはなぜ大量死したのか」を読んで知りました.本書はこれの日本版という感じの本です.日本でも同じようにミツバチの大量死が発生しているようですが,アメリカでのCCDの原因がよく分かっていないのに対して,日本での大量死は主に農薬が原因のようです.
本書は各種の資料にあたって日本の養蜂業の現状を丁寧に説明しています.図面や写真もオールカラーです.ただ,若干まじめすぎる嫌いがあり,「ハチはなぜ大量死したのか」ほどのミステリアスな展開ではありません.読み物というよりは養蜂業のことを勉強したい方向けでしょうか.
養蜂道具の説明や養蜂を行う場合の注意点などもあり,趣味で養蜂をやってみようという方には入門用として良い本だと思います.最後にいろいろな花のハチミツの紹介が載っているのですが,思わず買って食べ比べてみたくなりました.
他の本の内容、同じ話の繰り返し
★☆☆☆☆
他のミツバチの本をまとめた感じで、ミツバチの問題に関心のある読者いわく「他で読んで知っていることばかり」。そうであれば出典の記載を本文中にもっと入れないとオリジナリティに対する問題を指摘されるのでは。全体の構成が悪く、繰り返し同じ知見が出てきて、繰り返し同じ修飾のある語句で紹介している。書物としての内容の濃度が薄すぎ。半分以下のページで十分な内容。非常に短い時間で読了したにもかかわらず、大きな疲労感があった。このシリーズの本は同様に内容が軽過ぎ、タイトル負けしていると思う。
”ミツバチ問題”を冷静に論議した好著
★★★★★
ここ数年マスコミを賑わしている“CCD(蜂群崩壊症候群)”と“交配用ミツバチ不足問題”。
ややワイドショー的なマスコミの取り上げ方に違和感を覚えないでもなかったが、この本ではそれらの問題を客観的なデーターに基づき、多面的かつ冷静に論議されているのが好ましい。
「ミツバチの不足と日本農業のこれから」 (吉田忠晴著、飛鳥新社)同様、小著だが中身の濃い一冊。