昔を懐かしんで読んでみた
★★★☆☆
主要な車両が収録されていて、それなりに楽しめる。しかし、これといって特筆べき点はなかった。大雑把につかむにはよいが、「詳しく知りたい」というニーズに応えられるものではない。
国鉄の味と空気
★★★★★
国鉄時代に作られた車両が、絶版に近づきつつあるって知らなかった。
はじめにには「国鉄時代の空気を残すための一冊」とある。こういう態度で本作りをした著者は、エライとおもう。普通の鉄道本って、読みたいんだけどわかりにくい……w
鉄道ファンは、こうやって電車を「味わう」のだなあと、なんだかほほえましくなりました。
考え違いも甚だしい、安直かつ企画倒れの一冊
★☆☆☆☆
日本が世界に誇る名車・0系の終焉というタイミングを捉えて、日本の鉄道シーンから消え去った車両たちを一気に振り返り、懐かしんでみようか、というコンセプトではあるらしい。
たしかに、キハ82系や485系、117系など、それ自体が絶滅した、あるいは、いわゆるオリジナル色がもはや見られない車種を、民鉄も交えて数多く紹介しては、いる。
だが、巻末の注釈(言い訳)を読めば、ほとんどが鉄道誌などに既発のルポ原稿に加筆再構成しただけの、安直な出来合い作品であることがバレバレである。
だいいち、申し訳程度の巻頭カラーグラビアすら、存在しない。車両のカラー写真が見られるのはカバーだけ。本文全編これモノクロオンリーで、車両の魅力など、これっぱかしも伝わってこない。新しく登場した車両に初めて出会って胸ときめかせたときのワクワク感もないし、ましてや、別れの寂しさ切なさすら、いっこうに込み上げてこない。
こうした内容を文庫本サイズに纏めようとした企画それ自体に、どうしようもない無理があるように感じる。著者も出版社も、何かとんでもない考え違いをしているのではなかろうか。
お手軽とか、廉価とか、いった理由だけで軽々にお薦めはできない。