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「普天間」交渉秘録

価格: ¥3,024
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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読み応えあります ★★★★★
これはすごいの一言です
政治家のどろどろしたところがわかります

元防衛事務次官守屋さんが優秀な官僚で日本のために
色々な手を使い、現地の根回し政治家への根回し
アメリカ・沖縄への根回し
今までの流れを
民主党の鳩山さんに読んでもらいたいものです
もちろん、これから対応するであろう菅首相にも流れを頭に入れて欲しいと思います。

普天間基地の返還・辺野古への移転への話の流れ
官僚・政治家・沖縄の方の実名まで出てきてすごいです。
詳しく書いてしまうのも買う方に悪いので

ただ、これだけ
本当に読み応えがありました。
普天間ー日米同盟の狭間で ★★★★★
 そもそもあの鳩山政権の普天間基地移設に関するドタバタ劇は一体何だったのだろうか?「沖縄県民の負担を減らそう」など、そこそこのレベルの人達にとっては誰でも理解していることである。なぜいつまで経っても実現できないのか。本書は著者が防衛事務次官在任中の四年間を中心に、この問題と苦闘した克明な記録である。読後感じるのは、この問題を本当にまじめに考えているのは誰なのだろうか。沖縄以外の日本国民は自国の安全保障の問題として捉えてはいない。沖縄県民の多くも工事や振興金利権についての主張と住民エゴの張り合いだ。また与野党問わず、沖縄地盤の政治家たちは選挙目当ての活動に邁進する。本土からの反戦団体や環境保護団体の現実ばなれした抗議行動を大メディアが面白おかしく報道する。なにしろ日本国とアメリカの取り決めも、いざ実行に移すには沖縄県知事と移転先市長の同意が必要なので、それが選挙の度にコロコロ変わるようでは永久に何もハップンしないのだ。
 この実態についてはアメリカ側も知悉しているので、2006年の日米間の取り決め合意以外何をやっても無駄な努力だと言っている。交渉に際してのアメリカ側担当官、ローレス国防副次官は普天間基地移設問題を、以前から「連立方程式」に喩える癖があった。四つの変動要素―――アメリカ(国防総省、国務省、在日米軍)と日本政府(防衛省、外務省)、国会議員(与野党議員)、沖縄県(県、名護市)―――を解くのに等しいというのだった。
防衛省では普天間の移設工事が完了するまでに行う手続きのうち、県や市の協力が必要となるものを調べ上げていた。アセスメント(環境影響評価)法以外にも公有水面の使用許可、埋め立て許可、文化財保護法の発掘調査関係、建築基準法など、二十に近い手続きについては県や市の協力が不可欠だと分かった。
この問題は日米同盟が破綻してはじめて解消するのかもしれない。
                              以 上
力作ですが、何か物足りない。。。 ★★★☆☆
沖縄関係者、閣僚、国会議員、官僚・スタッフ等の名前を明記して舞台裏を描いています。文章は決してお上手とは言い難いけど、臨場感は十分。何といっても、著者の沖縄関係者に対する怒りも相当なもの。歴代防衛長官・大臣それぞれに対する著者の評価も面白い。小池さんの発言をいかにもという感じの本人口調で再現しているところは、著者の執念だけじゃなくて笑いのセンスすら感じさせます。強面ですが、話したら結構面白い方なんじゃないかと。

もはやエスタブリッシュメントの側で生きていく可能性を捨てた人だけに、思い切った書き方ができたのでしょうし、その筆にウソはないと信じていますが。。。やっぱり当事者による回顧録という前提を踏まえて読むべきでしょう。小泉、飯島、二階各氏などの言葉を使って自分を褒めまくるのはアリですが、普天間に関する交渉秘録のはずが、「俺は小池に勝った」という内容で唐突に終わるのはちょっと残念な気がします。

もう一つ。本書は勿論、普天間交渉のある側面に焦点を絞っているわけだけど、それにしても、防衛・安全保障の視点からの記述がほとんどないことに驚いてしまいました。それは済んだ話と言えばそれまでで、交渉相手が相手だからと言えばそれまでですが、ほんとにそうなのか?巻末の「将来に向けての日本の防衛」があまりに教科書的で真っ当すぎるので、ちょっと考えてしまいました。
貴重な「秘録」 ★★★★★
普天間基地交渉問題の防衛省(庁)側の責任者であり一方の当事者であった守屋氏の著述である点を考慮しても、この問題の理解に貴重な材料を提供してくれる。日頃のマスコミの報道の偏向を是正して判断するのにも役立つ。沖縄県民は常に被害者であり弱い立場にある、日本政府と米軍は常に加害者だ、という前提でいつも報道され我々はその前提に疑問を感じない。日本政府が始めた第二次大戦で大変な犠牲になったことは事実だし、気の毒にも思うが、彼らはそんな「弱」ではなく逆にそれを利用して強かに自分達の利益を引き出そうとする構図がよく見える。むしろこの基地問題が解決せず、延引させた方が得なのだ。そこに理念と信念に欠如した政治家達が、利権に振り回されて混乱を助長させる。著書の最後の「将来に向けての日本の防衛」は短文ながらポイントを突いていて理解し易く是非一読を薦めたいが、日本のリーダーたちにこの内容の十分な認識が欲しい。そして日本は何をすべきかを打ち出して欲しい。
細かな点では、政治家と官僚たちのやりとり、省庁間の縄張り争い、特定の政治家との強い結び付き、等々Vividな動きも、普段はノンフィクション程度でしか見られないので、本書は興味深く読める。
今年読んだ本の中では出色のドキュメント ★★★★★
 普天間の危険性を声高に叫びつつも、いっこうに辺野古への移転の話を進ませない沖縄の首長たちの姿には驚く。この本の批判に答えないまま、普天間で事故が起きたらその人物たちが責任をとるべき、とさえ感じる。

 沖縄の稲嶺前知事などは8年間全く何もやらず「守屋さん、沖縄では大きな仕事は二十年かかるんですよ。石垣空港もそうだったでしょう。あの時だってそれだけ年月がかかっても誰も困らなかった。今回はまだ7年です。たいしたことないじゃないですか」と答えたとのこと(p.83)。長引かせるのは最終的にはガッポリ建設費で儲けるにしても、それまでの間もチビチビと振興策を小出しにさせて、儲けるため。地元の建設会社社長は「浅瀬案のように海に作るのは、環境派が反対し実現不可能というのが沖縄では常識。沖縄の一部の人びとは代替飛行場を作るのが難しい所に案を誘い込んで時間を稼ぎ、振興策を引っ張り出したい。作るにしても反対運動が起きて時間を稼げるようにしたい」「地元は疲れ果てて、どちらでもいいと思っている」と説明する(p.104)。

 中でも名護市の末松助役の前日言ったことをひっくり返す見事なまでの背信行為には、著者も最後には「あなたは昨夜私と打ち合わせたものと、まった違う主張を言っている。誠実さがない」と握手を拒否するほどで、ほとんど神話的な人物にさえ感じる(p.259)。さらに、地元政治家だけでなく、政商の中にはアメリカに赴いて米海兵隊に独自案を示して外圧を利用しようとする動きをみせる人物もいるのには驚く。石破元防衛相などは「自民党が橋本政権から何十回も積み上げてきたものを民主党が潰した」と主張していたが、そのウソというか、唯一実現可能なV字案を本当にまとめようとしていたのは小泉首相ぐらいだというのもよくわかった。と同時に「最低でも県外」といってしまった鳩山前首相の軽率さも、やはり唖然とするけど。