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普天間の謎―基地返還問題迷走15年の総て

価格: ¥2,376
カテゴリ: 単行本
ブランド: 海竜社
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普天間移設問題の基本書ではある、が。 ★★★★☆
著者は空自出身の異色外務官僚。手嶋龍一「1991年日本の敗北」にも登場する人物である。
普天間移設問題を3期に分節化し、詳細に迷走の経緯をたどる労作といえる。
海兵隊がなぜ、沖縄に駐留しなければならないのか?なぜ県内移設(辺野古沖)でなければならないのか?
に関して、詳論している(反面、キャンプシュワブ陸上案であるとか、民主党案には仮借ない批判を加えている)。
日米間の交渉の経緯、海兵隊基地の有機的連関機能を分厚く説明しており、資料的価値が高い。

もっとも、幾つかの疑問点がある。
沖縄県側とくに名護市側が埋立て案になぜ、固執するのかについて説明が明確とはいえない点。
シュワブ陸上案に「固執」した守屋元防衛次官について、ゼネコン利権への配慮を重視していたと
示唆している点(本書261ページ)がそれである。
巻末にインタビューに応じた当局者のリストが付されているが、こうした疑問点との関連で
本書の視点には一定のバイアスを感じざるを得ない。

一方当事者である守屋元防衛次官の「普天間交渉秘録」(新潮社)と併読して読み進めることを特に、
お勧めしたい。
沖縄の声に配慮する、とは一体どの声に配慮することなのか?
この点について真摯に考えていたのは誰なのか?
基地被害を直接被る人々へのケアではなく、なぜ、地域振興にカネがつぎ込まれてしまうのか?
このような疑問点への言及がなされれば、本書の価値はさらに増していたと思われる。
普天間問題ならこれ ★★★★★
複雑かつ重要な「普天間基地問題」について、
その核心を把握するに必要な、
「歴史」「軍事」「政治」
を通じ、総合的視点から国民を啓蒙する書は存在しませんでした。

本著をもって嚆矢とします。

特筆すべきは、

・綿密な取材が行われており登場人物名はすべて具体名。仮名やふせ名はなく、
 内容への信頼度が高い。

・問題理解の上で不可欠な在沖米軍の詳細データ、部隊運用の常識、地政学的視点が
 防大出身、元空自将校だった著者を通じ余すところなく記されている

・政治的複雑さを有する普天間問題の経緯・歴史記述が、わかりやすく記されている。

・沖縄で何が起きていたのか、がよくわかる。なかでも沖縄の指導者たちが示してきた
 国防、安保への覚悟、日本国に貢献する姿勢が詳細に記されている。

・わが政治指導部がこの十五年、本件でどういう動きをしていたかがつかめる

・付録で詳細な年表がついている

といったところです。

こういった内容が有機的に統合され、十分な発酵がなされた結果、
読みやすくて滋養あふれる、画期的な「普天間(沖縄の米軍)基地問題」啓蒙書に
仕上がった感を持ちます。

これから先、普天間問題を口にする際は絶対に欠かすことのできない基本書に
なることでしょう。古典としての価値ある内容と思います。

これ一冊あれば、普天間問題に関するすべてが把握できるといって過言ではありま
せん。
読み応えあり ★★★★☆
普天間問題の発端(1995年)から今現在に至るまでの15年間。
その経緯が時系列で書かれているので、量は多いが読み易く、かつわかり易い。
特に、当時の官僚たちの証言が書かれている箇所は、
ドキュメンタリーを見ているようで興味深い。
恐らく報道には出てこなかったであろう日米間、日本政府・沖縄間の交渉の裏側も含め、
普天間問題についてはこの1冊でほぼすべてがわかるのではないかとも思う。
海兵隊についての解説や図表も多く入っており、資料的な価値もある本。

沖縄と民主党の人々に読んで欲しい。

ただ、内容が充実している裏返しなのだが、分厚く、持ち歩くには多少不便。
なので、あえて星は4つ。