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艶書 (新潮文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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新潮「周五郎」その1 恋文だけに艶書 ★★★★★
周五郎の作品のレビューを書こうと決意し、
小学館短篇シリーズ5作を投稿しました。
新潮文庫21冊を手元に揃え、うち16冊読破、
順々にレビューを増やそうと企んでいます。
たった今「艶書」の艶書を読み終えたばかりです。
興奮冷めやらぬ間に気持を文字に変換します。

武家の3男以下に生まれるとは不運な境遇だと
時代小説を周五郎でデビューした私は初めて知りました。
この「艶書」の主人公もまさしくソレでした。
部屋住みが故に愛する女性とも一緒になれないのです。
(最後はハッピーエンドの運びとなるのですがね。)

解説にこうありました。
「人生には迂遠なようにみえても、
 そのための時間が必要な場合があり、
 それに耐える根気が必要なのだ、
 と作者は説いているごとくである。」

冒頭から感傷的な気分を引きずりながらの読書、
しかし七重と出三郎との想いが結ばれたとたん
がぜん勇気が湧いてきて…私もと思ったのでした。
ネームの「恋文」からも察して下されば幸いです。

周五郎を数十冊読んできたのですが、
結構「恋物語」も書かれていますので、
そっち方面中心のレビューを今後も書きます。

周五郎の女体の表現はいやらしさとは無縁です。
言葉が重ねられる度に理想が膨らんでいくのです。
それぞれの年代の女性像を上手く捉えているのです。
ナゼか私には匂いが感じられるような気がしてきます。
女性には分らない、男性だから感じる甘い香りとでも
言うのでしょうか、女だから気付かなかったニオイです。
言葉が線を描き…文章で立体となる…想像が姿を現す…、
周五郎の女体が、あなたの頭の中で作り上げられるのです。