一番面白いかもしれない
★★★★★
外伝ではあるが、あらゆる意味で本編よりスケールが大きく、物語の概要を掴んだ後で読むと、一番面白く感じる。
ロードス島戦記に対する、ロードス島伝説のような。
マティルダの人物像も魅力的だし、現在よりも感情がだだ漏れなヴィルヘルミナ、
戦闘は詳しくは描かれないが、外伝で登場、また本編でも絡んできそうな、震威の結い手と極光の射手。
できればこれ以前の、都食らい編なども描いてくれたら嬉しい。
シリーズ屈指の面白さ
★★★★★
他のレビューにもあるとおり、今回は先代炎髪灼眼の討ち手マティルダの話。
冒頭からフレイムヘイズ兵団と、アシズ率いる『とむらいの鐘』の戦いが繰り広げられる。
さらに『仮装舞踏会』も加わり、登場人物それぞれの思惑が色々なドラマを生んでいく展開に
なっている。特に『とむらいの鐘』はひとりひとりの描写が細かく、バックボーンもそれなりに
あるので、敵役ながらかなり存在感を出している。
戦闘シーンも内容盛りだくさんで、読んでて飽きない。1巻から読んでるがこの巻が一番面白かった。
先代「炎髪灼眼の討ち手」の戦いの物語!
★★★★☆
「萌え」を期待してる方はあしからず。本巻には萌えは微塵もありませんので(笑
時は16世紀、先代「炎髪灼眼の討ち手」こと、マティルダ・サントメールと「九垓天秤」の一人「メリヒム」との壮絶な戦いの物語です。
「灼眼のシャナX」の「X」は"10"というより「エックス」とでも解していいかもしれないでしょうか。
メリヒムの意外な正体が解き明かされます。第五巻でシャナが「天道宮」でフレイムヘイズとなるべく鍛錬に勤しんでいたときと話が繋がります。
現代におけるシャナの話は本巻では冒頭と巻末のアラストール、ヴィルヘルミナ、ティアマトーの忘却のみです。
しかし、読む側を退屈させないだけの深い内容です。但し、私のように読解力のない人は本巻は集中して読まれることをお勧めします。
さもないと、読んでいる内容がわからなくなりますので(笑
読み終えて、あたかも事実であったかのように、先代「炎髪灼眼の討ち手」であったマティルダ・サントメールに思いを馳せる自分でありました。
人と「人」とを繋ぐ「もの」
★★★★☆
今回のシャナには、ミステリー的な趣向が組み込まれています。
表向き本巻は、先代の『炎髪灼眼の討ち手』マティルダの
所属するフレイムヘイズ兵団と、
“紅世の徒”の軍団〈とむらいの鐘〉との
壮絶な戦いを描く外伝的作品です。
しかし、それと並行して、本編において極めて重要な「謎」の一つが
明かされることになります。
読む際には、これまでにどんなことがあったか、
一度思い返してから読んでみてください。
さて、本巻では綺羅星のごとく、魅力的な新キャラが登場します。
そのなかで、個人的に最も印象深かったのは、
人間の芸術に魅せられ、自ら制作に携わり、
人間との交流も深めた紅世の王、“髄の楼閣”ガヴィダです。
義理堅く、情にあつい彼が、自在式の天才少女・ナハティガルに向け、
死を目前にして最期に胸のなかでつぶやく次の言葉に
彼のすべてが現れていると思います。
「そして、知るがいいさ…人間が、結構、お人よし、なんだって、ことを、よ…」
彼のナハティガルに対する無骨な思い遣りは、
マティルダを介し、心を閉ざしていた彼女の胸に
確かに届いたはずです。
だからこそ、その後、何百年にも渡って「彼女」は旅を続けているのでしょう。
ガヴィダのような「お人よし」がいるからこそ、
歴史は動くのかもしれない、と感じさせられました。
壮大な愛情をテーマにした物語です
★★★★★
本編は学園を背景に、学生たちが恋する物語。
そしてこの外伝は戦争を背景に、戦士たちの恋物語。
もちろん、真の愛といえばどちらも引きませんが、でも、スケールが違います、決定的に。
p.s.シャナの小説の中ではこの巻が私の一番気に入りです。