濃縮された内山哲学
★★★★★
未来についての想像力 内山節 農文協 2009
副題:農ある世界への構想
本書は農文協(農山漁村文化協会)創立70周年記念の講演録「未来への創造力―農ある世界への構想」
タイトルの想像力と講演タイトルの創造力との使い分けは今一つわからないが、内山さんのブレ無い思想が心地よい。
過去から我々が何を学んできたのか?あるいは何を無視してきてしまったのか。
他者との関係性の中で生きている我々は、実はその本質的なところで自然との係わりの中で生かされているという事を忘れがちであり、多くの人が忘れ去っている。
これまでの内山さんの著作が最後に記載されているが、その抽出物が本書に分かりやすく綴られているように思う。ほんの40ページほどの小冊子とでも言って良い本書だが、非常に濃厚で滋養のある内容だと思う。労働とは、時間とは、自然とは、生きるとは、そして死とは。