元ネタであるABBAの"Gimme Gimme Gimme(イレイジャーのカバーも有名)"は、「欲しい、欲しい、私は男が欲しいのよ!」というミもフタもない楽曲でしたが、そこからイントロの華麗なリフだけを抽出して、こんなにも「ミラーボールの下の孤独」を鮮やかに描き出すポップソングを作り上げるとは。マドンナという人の本質的な暗さが(これもいい意味で)滲み出ている名曲だと思います。
プロデュースを担当したスチュワート・プライスは、最近ペット・ショップ・ボーイズやニュー・オーダーとの仕事で一躍売れっ子の仲間入りをした人で、この人選も押さえるところを押さえてるという感じ。ナイトクラビングやダンスカルチャーの持つ表面的な華やかさと、その裏側にある満たされなさという要素の両方をきっちりと見据えることの出来る人だからこそ出せる音という感じで、正直すごく久し振りに「マドンナすげー。」と思ってしまいました。3曲目のリミックスの方がオリジナルよりもシンプルな分、美しい仕上がりかと。