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ドット・コム・ラヴァーズ―ネットで出会うアメリカの女と男 (中公新書)

価格: ¥819
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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驚いた!女性大学教授のフリーセックス ★★★★☆
同じ著者の「性愛英語の基礎知識」(こちらのほうは2010年出版だから、新しい)を先に読んで面白かったが、この女性、相当のセックス経験者だなと思っていた。本書を読んで、それが実証された。
ハワイ大学から一年間のサバティカル(業務を離れて研究や執筆に専念する期間)を与えられた期間、ニューヨークでオン・ライン・デイティングをmatch.comを通じて経験、10人の男と付き合う。
ハワイに戻ってからもオン・ライン・デーティングを継続、さまざまな男性と付き合う、その経験談だ。
読み物としては確かに面白く、日本の出会い系サイトと違って、アメリカでは、かなり高級な人たちが相手をみつけてデートしており、中には結婚まで進む人もいるらしい。
問題は、著者が別に「突撃取材」とかアメリカ研究の一助としようとか言うことではなく、純粋に自分の好奇心、セックス欲を満たすためにやっていることで、この経験談を読んで「へー、世の中には進んだ?女性もいるもんだね。」とは思うが、私は古いのか、著者の心情に同調できない。
著者は「私は、魅力を感じて相性が良くて基本的に信頼できそうな相手だったら、肉体関係をもつのに、それほど時間をかけない人間だ。」と書いている。
私は、ある50台の女性が、自分の娘の結婚に関して「からだが合わないといけないから、結婚前にセックスをしてみたほうがいいよ。」と教育していると聞いて、仰天したことがあるが、著者は別に結婚などは念頭になく、ただchemistry(相性)が良いと思った相手なら、初対面でそのままベッドに直行ということもあるらしい。ここまで、セックスにこだわりがないと、それこそスポーツや娯楽のように、やりたいときに好きなあいてとやるということで、人生相当簡単になるのではないか。しかし、そんな著者でも好きな相手とわかれて深刻なダメッジを受けたこともあるらしい。
ところ、こんなに男漁りばかりしていて、ニューヨークのサバチカルで研究・執筆活動は進みましたか、と著者に訊きたいくらいだ。
アメリカで教鞭をとる著者の”Sex&the City” ★★★★★
日本の新聞記事やテレビニュースでは、名前の後に必ずといっていいほど(年齢)が付いて回る。
「年齢のわりに活躍してるね」と評価することもあれば、逆に「この歳で何やってんの」と批難の対象になったり、
年齢基準で視聴者側の意見が左右されているように思う。


この本では、「年齢」云々に関する会話はまったく出て来ない。
「私もう30だから..」とか,「40歳になる前に..」といった、年齢による焦りや駆け引きは
すくなくとも著者と、著者が出会った男達には、無縁のようだ。

職業、顔立ち、性格、デートしたレストランやカフェ、彼のアパートの説明はあっても、
「年齢」の説明が一切ない。いくつくらいかしら、といった推測もない。
この点について、とても新鮮に感じた。


自分の興味としては、著者が何歳からmatch.comを始めたのか、
相手はどういった年齢が多かったのか、知りたいところだったが、それは最後までナゾであった。

要するに年齢を気にすること自体が視野の狭いことなのかもしれない。




面白いには面白い。ただ中公新書である必要はない。 ★★★☆☆
内容は面白かった。アメリカ文化に対する記述は面白く、文章は飽きさせない。

「アメリカ人のみた日本の検察制度」という本があって、自ら異文化に飛び込んで、日本の権力構造に切り込む真剣さに感心したが、そういう感動はない。
「ドット・コム・ラヴァーズ」は家田荘子さんの本のように面白いんだが、あまり考えさせられるような内容ではない。純粋に読み物としては良い。

ただ、著者は自分をエリートと認識し、その意識が強いため、スノッブだなあ、と感じながら読みました。そのエリート意識が嫌味たらしく感じた。

男女関係を通じてアメリカを語るのは無理があると思う。交際相手に偏りがあると思うし、統計データは何も出て来ない。
大学教授でありながら、ある意味寂しい人生だと感じた。

読み物としてはとても面白いです。
男は日々、観察されている ★★★★☆
ネットで出会った男性遍歴かと思いきや、
奥底には、恋人同士のコミュニケーションの
必要性と難しさ乗り越えるための処世術が垣間見える。

登場する男性が、あなたに似ているかも。
価値観が近くて、意外とドキッとする。

「デート」という単語の定義が
なかなかできないワケ

赤面級の下ネタ全開ジャブを繰り出しつつ、
ニューヨーク周辺、ハワイ、日本のコミュニティを比較し、
言葉では説明できないケミストリー(出会いの直感)を重視する。

ユーモアの効いた文体も好きです。
ごくごく限られた話ではないだろうか・・・ ★★★☆☆
本書の序章で筆者は自身の「主観以外のなにものでもない、現代アメリカの断片像を描く」と
宣言している。主観であるのに、なぜそれがアメリカの断片像になるのか?と思わんでもない
が、筆者にはそのような近親眼的なものの見方でしかわからないこともあるのではないか、と
いう意図があるのだそうだ。確かにウイルスは、顕微鏡の倍率が上がっていかなければ発見で
きなかった存在だ。そのように、ミクロな視点に立たなければ、見えてこないこともあるだろう。

しかし、どうだろう。本書があつかったその顕微鏡は、少々倍率が高すぎたのではないだろう
か。つまり筆者の階層は、知的にも社会的にも高すぎて、ある程度の一般論さえも語れないほ
ど、限られた層における話になってしまっているのではないか、ということだ。彼女がネット
を介して出会うのが、編集者や研究者という同業者であるのは、彼女自身が知的に、そして社
会的に高い層に属しているからに他ならないだろう。そう思うと、この顕微鏡はちょっと倍率
が高すぎたかな?と思った。
あと、アジア系の女性を好むオリエンタリスト男に、この人は敏感らしいが、それの反面相手
の階層ややっていることや、思想内容にうるさいのは不公平じゃん、と思った。。

ネットでの出会いって、本当にいいのだろうか。あらかじめ自分で「こういう人はダメ!」と
か、「こういう考え方の人と自分は合わない!」とか、合理的に選別するのは、本当に合理的
なんだろうか。
商品じゃないんだからさ。
どうしても無理っ!生理的に無理っ!ということもあるだろうけれど、周りにいる大抵の人は、
自分とは考えや生き方を異としているわけだ。でも、その自分と異なっている異物を、自分の
中に取り込んでいくことが、恋愛の醍醐味なんじゃないだろうか。本書を読むと、ネットで出
会いを見つけるっというのは、なんどかひどく了見の狭いことのように思えた。本人たちが、
満足ならそれでいいんだけど。。