あとがきはひねりはないです
★★★★★
ようやく読むことの出来た最新刊。
風刺系メインなのは
やはりいい感じです。
秀逸なのは「家族の国」「違法な国」です。
特に後者は現在でも小さいながらも
そういうことで問題になっていますからね。
なのでもし制御がかからなければ
もしかして「読書」そのものが不可能になるかも…
そして今回はショートショートな
国のお話もあり
構成も豪華ですし、
いつも静かなシズがちょっとかわいそうになる
一幕も垣間見れます。
満足でした。
キノの旅
★★★★★
今回は今現在の「自分」が属している立場によって拒否反応をおこすような方がいらっしゃったのでは?と思います。
まあ悪魔でも「小説」なので色めき立つこともないのではないかと(笑
私は随分前からこの方の小説を読んでいますが、やっぱり面白いですね。
挑戦する人は好きです。
最近のキノの旅はなんだかなぁ・・・
★★★☆☆
1巻から全て見ていますが、最近のキノの旅はなんか微妙です。
えぐい話や切ない話もなく、
長編の「必要な国」もそんなに長くしなくても、もっと簡潔に描けたはずだと思いました。
師匠の話は、あくまで合理的な行動を
シズの話は、やさしく切ない話を
キノの話は、その中間で、気まぐれで変わる傍観者のような話を
昔はしていたはずなのですが
今回の13巻では、師匠が優しかったり、
キノの話がガッツリ描かれているものが一つしかなかったり
話がよく練られているものがありませんでした。
「嘘つきの国(?)」みたいなエグくも切ない話や、
「レールの上の三人」みたいな、異様な雰囲気の話を
もう一度読みたい僕としては
今のキノの旅は物足りないと感じてしまいます。
面白いけど
★★★☆☆
確かに、簡単に殺しすぎるってのはあるかもしれない。
例えば、人を殺すのはしょうがないってスタンスで書いてるけど、実際に戦争で人を殺してきたアメリカの兵士さんがたがPTSDで今も苦しんでいらっしゃるし。戦争に行きたくないって精神科医やってた人が銃乱射事件起こしたりしてるし。人を殺すってのは慣れるって事はないと思うんですけど。人で感情のあるかぎり。
だって人間には他人に共感する力があるんだもん。自分だったら殺される側に共感してしまうんですが、物語の中でも。
まぁ師匠やキノは物語を進めるストーリーテラーなんでもはや人間として書く必要はないのかもね、もう悩んでる描写とかも一切出てこないし。一つの駒として考えて、ストーリーの構成・発想だけを楽しむのがこの作品のスタイルかも。
あとがきが…
★★★★☆
キノの旅本編のシリーズ13作目。
口絵部分を読んで、プロローグへ。プロローグの「この世界の話・b」でのキノの行動に違和感を覚えたが、エピローグの「この世界の話・a」を読んで納得。この辺りの本1冊の構成も含めて、流石に上手いと思う。
今回も大きな作りとしては、これまで通りだし、また、作品の水準も安定していると思う。ただし、今回決定的な違いとしては、まともなあとがきがついていること。まともとは言っても、普通に20ページ以上もあるので、全然まともではないけれど、それでもごく普通の質問に、割合キチンと応えているという点では、非常にまとも。作家9年目だということで、何か特別な記念とか言うことではないようなので、今回のようにQ&Aみたいな普通のことをやられると、逆に何かあるのか、と不安になってしまう。