独学の人向けレファレンス
★★★★★
52人の哲学者の思想を、およそ各人5ページにわたってまとめてある「命題集」。
この本、レファレンスとしては、気がきいている。
たとえば原文を読みながら「意味わからん」という時にひいてみたり。
別の本を読んでいる時に「あれ、この人どんな思想だったっけ」とひいてみたり。
そういう使い方をするにはもってこい。
「〜入門」は分かりやすいが、その分かりやすさ重視のために、無駄な部分も多い。かえって読みにくい場合もおうおうにしてある。
一方、こちらは研究書の文章なので、こういうのに慣れていないとゲンナリするが、独学である程度なれた人にはもってこいかと思う。
本書と一緒に「哲学史」「思想フォーカス」でもあれば、哲学関係の本を読んだときに「誰これ?」ということにはならないだろうと思われる。
ただ、なぜマルクスがあってウェーバーがないとか、サイードはどこに消えたとかの難点はある。
現代思想にはじゃっかん弱いので、そこらへんは別の本でカバーを。