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日本発・世界標準の『新世代One to One & CRM』―2010年‐30年を見据えた究極のマーケティングパラダイム

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 五月書房
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「米国型CRM」と「日本型CRM」 「ERMなくしてCRMなし」 ★★★★★
本書は掃いて捨てるような数多のマーケティング書とは一線を画す。

著者はCRMには「米国型」と「日本型」の2種類があるという。
前者は企業の利益を最大化させるための拝金主義的なCRMであり、後者は日本の商文化に根差した「三方よし」のCRMである。

昨今、CRMは「魔法の杖」のように扱われている。しかし、そのほとんどが失敗に終わっており、CRM不要論が持ち上がったりしている。
しかしながら、CRMのシステムを導入すればうまくいという技術決定論はそもそも間違いであり、どのような革新的なシステムも企業組織が信頼というネットワークでつながっていなければ効果は最大化されない。
著者の「ERM(従業員関係性マネジメント)なくしてCRMなし」という主張は的を射ているだろう。

また、著者は次々と発明されるマーケティング手法に惑わされている企業のありさまを「マーケティング・カオス」とよび、これを否定している。著者は解釈主義の立場をとっているが、論理実証主義をないがしろにはしない。二律背反を甘受し、合理性の限界を認識し、それでも核心をつく著者の言葉はさまざなな職歴や長いコンサルタントの経験が説得力を与えているのだろう。

本書はアクセンチュアが書くような胡散臭い専門書ではない。単純なフレームワークはないし、具体的なCRMシステムの構築法について言及した分厚い専門書でもない。

非常に明快で簡潔に書かれているので、マーケターだけでなく、マーケティングや経営学を専攻している学生も読むべきである。
巻末には近年のマーケティング手法や最新の技術について簡単にまとめられており、これも参考になるだろう。

本書は日本型CRM&One to One マーケティングの理念を示すものである。
具体的な日本型CRM構築の手法にまで踏み込んだ続編が刊行されることを望む。