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森林からのニッポン再生 (平凡社新書)

価格: ¥3,369
カテゴリ: 新書
ブランド: 平凡社
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重要な問題提起 ★★★★☆
日本の森林面積は増えている!
ヨーロッパや中国など、森林面積を増やしている国は結構あるようだ。
逆にどんどん砂漠化が進んでいるところがあるのも事実なのだが。

森林を伐採しても、きちんと再生すればカーボンニュートラル。
それどころか、建築物などの形として木を残せば
かなりのCO2を固定することができると説いている。
化石燃料をバンバン使ってCO2を出している分に関して
この理論でCO2固定できるかどうかまでは計算されていないけど。。。

森林と山村を絡めたところを中心に、幅広い話題に関して
その常識はホント?という事を書かれている。
結論が出ない部分もあるのだけど、
重要な問題提起をされていると思う。

世界の環境問題から日本の過疎問題まで、
様々な知識と考える材料を頂きました。
真の自然との共生を目指す ★★★★☆
日本は多くの森林を要しながら、我々の森林やその環境に
ついての知識は曖昧で多くの誤解を孕んでいる。

本書は他の森林関係の本に比べるとその幅広さに特徴があ
る。最も比重が大きいのは林業だが他に森の治水効果、セ
ラピー効果、生物多様性、村の暮らしなどに話が及ぶ。

日本の林業の衰退の原因は戦後の高度成長期に業界の体質
改善ができなかったことと、その後も業界の若者離れによ
り停滞が続いていることだろう。新しいリーダーの登場が
待たれる。

本書を通して著者が訴えたい事は「人と森林の相互依存」
である。少なくとも今の人工林とその生物多様性はヒトの
介入なくしては維持できない。ならば人も自然も共に継続
して発展していける道を探ろうというのが著者の主張であ
る。ことこの分野の論争は極端な自然保護に走りがちなの
で、本書の内容は日本の林業の未来に有益なものとなるだ
ろう。
最新の日本の森林事情を知る好著 ★★★★☆
 日本の森林問題は「一概に言えない」ということがよくわかる好著。
 森林問題に興味をもつ者には、内容のほとんどは周知の事実ばかり。しかし、最新の知見も盛り込まれており、現状を概観するにはとても役立つ本であるだろう。
 多くの方に本書を読んでいただくことで、日本の複雑な森林事情が理解され、よくある「思い込み」が少しでも排されることを期待したい。
 著者も述べているのだが、何十年も前から指摘されてきた我が国の森林問題は、一向に改善されていない。日本の森林の構造的な問題は、これ以上どうにもならないものなのかと改めて考えさせられた。
日本の森や林業を知る入門書 ★★★★☆
これまでの田中氏の林業および森林関係調査の一応の集大成的な著作なのであろう。田中氏の著作を読んで来た者にとってはそれほど多くの新規な情報は無いかもしれない。
ただし、初めての読者にとっては、現在の日本が直面している林業問題やそれに付随する山村の過疎問題が短時間で認識出来る事は間違いないであろう。

個人的に思う事は、せっかく巻末で参考文献を示しているのだから、本文中のデータの出典を示していただければ有りがたい。たとえば生物の多様性に関しての人工林と天然林の比較の記述や、人工林の保水力(おそらく蔵冶さんのデータだと思うが)に若干の疑問がある。
バイオマス関連でのバイオエタノールの記述でE3を書かれるのであれば、ETBEにも言及しても良かったと思う。

ホタルの話では、相変わらず、「ちょっと汚い水」の方がホタルに適しているという科学的にあいまいな表現をされている。

また、これまでの国策としての林野行政等への言及はない。良いか悪いかは別にしても若干の記載があっても良いと思う。また天野礼子氏などが盛んに宣伝する「新生産システム」へのコメントも欲しいところだ。

新しい情報としては、中国での植林事業による急激な森林面積の拡大などは興味ある点であった。

そしておそらく田中氏の訴えは、次の文章であろう
現在山村に住んでいる人々は、もしかしたら困っていないかもしれない。静かな暮らしを楽しんでいるのかもしれない。だが、そうした地域、集落に現在はあっても未来はない。今の世代がいなくなるとともに、ゆっくりと尊厳死を迎えるような終末を迎えるだろう。そにに人々が生きた歴史も消えてしまう。本当にそれでいいのか? と
日本の森林の常識を覆す好著 ★★★★☆
「森林」「林業」「山村」という3つの主題からなる本書を読んでいて、かつて、メディアで流されていた森林についての言説に、いかに固定化したイメージが多く、誤解が多いかということを感じた。例えば、古来から日本人は森を大切にしてきた印象があったが、さにあらず、江戸時代は禿山ばかりで、実は森林は戦後になって、国土全体で20%増えたのだという。ほかにも人工林は生態系が乏しいというのも、森林は二酸化炭素を吸収するというのも、森林は「緑のダム」であるというのも正確ではない。

林業でも、本書の「木材のうち、実際に使われているのは1割だけ」という指摘には、なるほどと思わされた。枝も葉も樹皮も皆捨てられるが、これらを有効活用してこそ、経済効率に合わないとされてきた日本林業の再生につながるという著者の主張に同意。

森林経営というと、環境、林学、経済学などが入り混じる難しい学問分野のような気がして、とっつきにくかったが、本書はとてもわかりやすく、日本が今直面する森林問題を概観することができた。終わった産業だと思っていた林業だが、他の産業と同様、日々進歩しているのだということを感じた。