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地球と一緒に頭も冷やせ!

価格: ¥105
カテゴリ: 単行本
ブランド: SBクリエイティブ
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この本の要約 ★★★☆☆
この本の要約。


地球温暖化によって2050年までに熱波によって死者が2000人増加するが。寒波による死者は2万人減る。
今のペースで気温上昇すると2100年には海面が30センチ上昇するが、海面は過去150年にすでに30センチ上昇した。
たとえアメリカを含めて京都議定書の目標を達成しても、今世紀末までに地球温暖化の進行を7日遅めるだけ。
「CO2を何%削減する」というのは効果がない。それより世界各国がGDPの最低0.05%を代換エネルギー技術の研究開発に投資する。そうすれば京都議定書の10分の1の予算で10倍の効果で期待できる。


優先順位論は水掛け論? ★★★★★
 相当に広い範囲からデータを集め、客観的な経済・統計分析を交えつつ、温暖化対策の値打ちの低さ、偏り、そして不毛と無駄と偽善を摘出。拾い読みでは流れが分からず、購入1年後にやっと通読したが、やはり通しで全体をフォローしないと理解が身に付かないとつくづく思った。例えば「マラリアと温度との相関は弱い」という、結論的であっさりした記述(267頁)は、綿密なデータ収集と分析に裏付けられている(153〜170頁)わけで、随所にある、帰納法のお手本のような論理展開にはそれぞれ痛く感心させられもした。

 口語体風の筆致のスタイルは第3章までは比較的穏当・冷静。ただ、第4章「地球温暖化をとりまく政治」から徐々にヒートアップする。著者が「熱く」なるのもやむをえないほどに「温暖化教信者」の主張の欺瞞、異論を認めない狭量ぶりはひどいようだ。日本でも懐疑論者や寒冷化論者はまだ全然少数派だが、欧州ではもっとえげつないらしく、強い自己主張を許容する風土のせいか、気の弱い評者など、本書の「信者の発言」の引用をみるだけで腰が引けた。

 著者はIPCCの報告をとりあえずの足場にして温暖化対策のプラスとマイナスを比較考量し、多数ある国際的な経済・社会政策のなかでの政策的な優先順位はずっと下、と結論づける。本書に注文するとすれば、その優れた叙述と主張には納得しつつも、エイズや貧困対策と並べたなかで温暖化対策を相対化し、費用対効果や緊急性などの点で下位に位置付ける、というレトリックには弱さがあるようにみえることだ。というのも、環境主義者でなくても、国際社会はエイズや貧困対策にも「できる範囲(以上)の政策的配慮と人的・資金的供与」を実施中だと言い張っているからで、結果的に優先順位論は水掛け論に陥りやすく、また温暖化論に惑わされている人々の「目を覚まさせる」効果はさほど大きくないように思えるからだ。この点、少し惜しい、と評者は考える。
古館伊知郎に読ませたい ★★★★★
温暖化とその原因に対する本書の現状認識と将来の見通しは基本的にはIPCCをはじめとする多数派の議論のものとほぼ同じ。
違うのは、一つは温暖化がもたらす誇大なマイナスについて批判的に検証しているながら、同時に見落としがちなプラスの側面にもきちんと目配りして、トータルな影響を見積もって伝えてくれている点。
二つ目はそのマイナスを改善するのにCO2の削減以外のより安価で効率のよい方法を探り費用対効果をきちんと比較分析している点。
さらに三つ目として人類があまた抱える温暖化以外の問題状況に対しても視野に納め、それらを解決することで主として第三世界の経済状況がどれほど改善されるか、またその改善によって温暖化も含めた問題状況に対する、人類全体の抵抗力がどれほど増進されるか、といった見通しを示している点。
経済学者が予測する将来の経済発展状況モデルがやや楽観的ではないか?とも思えるが、根拠の薄弱な絶望的未来像を撒き散らす終末論的な「警告」に日々脅され続けている人々に対して、本書は非常に説得力のある福音となるのではなかろうか。
何のための温暖化対策なのか? ★★★★★
CO2の削減が自己目的化してしまっているが、その目的はより多くの人を幸せにするため、よりよい世界を未来に託すためだったはず。
だったら、温暖化対策もたしかに大事だが、貧困・エイズ・食料・インフラ整備などなど他にやるべきことがあるのでは?というのが本書の主題です。

特に、仮に京都議定書の排出抑制を2100年まで続けたとしても気温上昇を0.2℃抑えるだけというのは示唆的です。
100年後の0.2℃のために毎年18兆円もかけるのは有意義なことなのか?そもそも100年後の人々は今からは想像もできないほど豊かなのではないか?

それだけのお金があれば途上国のエイズ対策や衛生環境の整備、貧困や教育投資に費やしたほうが多くの命を救いより豊かな生活を実現できるとデータを交えて論証します。
内容については賛否両論あると思いますが、温暖化を他の社会問題と比較分析し、建設的に議論を進めた好感の持てる良書です。
本当の解決策は何か? ★★★★★
本書は、地球温暖化を防止する手法としての二酸化炭素排出の抑制に疑問を投げかけている。京都議定書にアメリカが参加して膨大な予算支出をしたとしても、できるのは温暖化をせいぜい5年間遅らせるだけ。人類の目的は、人間に住みやすい環境を維持することであって、二酸化炭素を減らすのが目的ではないはずだ。ここで展開されているのは、極めて冷静で合理的な議論だ。

先日、鳩山首相が-25%の二酸化炭素削減を国際公約として打ち出した。本当に二酸化炭素削減が合理的な判断と言えるのか、どうか?
環境問題に関心がある人は是非この本を読んでほしい。ただ、難点を言えば、結構長い本ということ。

以下、この本で展開されている論点の一部
1)地球温暖化を叫ぶ論調ではしばしば温暖化のメリットについて言及されていない(熱波の増加により死亡する人より、寒波の減少により死ななくて済む人の数のほうがずっと多い)。メリット部分も含めて総合的に温暖化の影響を判断するべきだろう。
2)地球には温暖化よりもっと重要な、しかも低コストで解決できる問題が数多く残されている。人類が使える資金は有限だ。コストばかりかかって効果が乏しい温暖化対策より、他の重要な問題の解決に資金を使うべきではないか。
3)温暖化による悪影響を防ぐ方策として二酸化炭素抑制はコストばかりかかり、効果が乏しい。温暖化による悪影響に対して、直接の対策をしたほうがはるかに低コストだ。