両作者が足で稼いだ調査記録に敬意を表する
★★★★★
この本のことはアマゾン・コムで知った。ゴミ問題に関心があり、パキスタンやフィリピン更にブルネイに衛生式埋め立て場を提案してきた私としては見逃せない題名の本だったので取り寄せて読んだ。
まずは両作者の足で稼いだと思われる数多くの自治体のゴミ処理に対する調査に敬意を表したい。ゴミは汚水や空気汚染と違って大海に散らばしたり、大空に放って薄めるというような処理が出来ない、英語で、「Solid Waste Management」という所以である。従って、このゴミ処理については人口が増えてきた今、広大な土地を持つアメリカやロシアは別としても、どの国も処理に頭を悩ましている問題である。翻ってわが日本では、分別によって資源ごみと廃棄ゴミを分けて処分場への運搬量を減らそうという運動が盛んで、実際にその効果は出てきてはいるものの、この二人の作者の調査により、それには多くの無駄が費やされているということを知ることになる。
このゴミ問題がうまくいっていないことの大きな原因は、NIMBY (Not In My Backyard)で象徴される一般人の身勝手さが一番だとは思うが、ゴミ処理を管理運営すべき行政の指導力の無さが更に拍車をかけ事態を複雑にしているということがこの本から分かった。ゴミ処理を片付けることの出来る自治体の長であれば、一国の首相として国を治めるに匹敵する能力があるのではないか、と思ったものである。それほどにこのゴミ問題については、住民に文句を言わせない指導力と、ゴミに対する勉強(即ち知識と)、決めたことを成し遂げる強い信念と、それに相対する柔軟性を併せ持った人で無ければ解決することが出来ない、と思った。
著者の方々は「あとがき」としていくつかの提言をしているが、なかなか的を得ておりそして分かりやすかった。私もNIMBYの方々を批判するほどに他己心が強いわけではないが、こういう事実を知って物事の見方に幅ができたような気になり、勉強になった。
ゴミ問題に関心のある方の必読書
★★★★★
著者、杉本さんの記事を以前読ませていただいて、非常に広い視野で書いてあるのに感心したことがありました。。
ゴミ、資源問題は、さまざまな価値観が錯綜して分かりにくくなっていますが、杉本さんの視点で問題が見事に整理され、まさに目からうろこが落ちるを実感しました。
ゴミ問題、資源化問題では、個人も行政も考え方を一度整理しなければいけない時期です。大勢の方にぜひ読んでほしい本です。
ごみ分別に几帳面な方に読んでもらいたい本
★★★☆☆
ご近所のゴミ問題、自宅前が集積場所なので臭い、前日からゴミが出ている、不燃物が混ざっているからと作業員は回収してくれない、資源ゴミを業者が持ちさったから違法だとか、そんな問題に悩まされている方にお勧めします気持ちが楽になりますよ行政に対して自分の意見を言えるようにもなるんじゃないかな。
政府の失敗
★★★☆☆
「市場の失敗」がまたもや声高に叫ばれるようになっていますが、
「政府の失敗」も忘れてはいけませんね。
経済効率を無視して、”善行”を他人に強要すると、ろくなことに
ならないという一例だと思います。
自治体によってこんなに違うって
★★★★☆
日本の自治体のゴミの集め方処理の仕方を詳しく解説しています。
私の住んでいる町では何でも燃えるゴミになってしまいます。
ビデオテープ、皮の鞄、ビニール類がすべて燃えるゴミです。
分別ゴミは、ガラス瓶、アルミ缶、鉄缶、燃えないゴミ、ペットボトルとこちらの分別も非常に種類が異なっています。
日本中の自治体がどんなゴミの分別を行っているかが、良く解ります。
惜しいことに、「だからどうしたらいいんだ」「日本の行政はどこに進むべきか」と言う提案が抜けているので★は4個です。
ゴミの事を考えている方にはお勧めの一冊です。