巷には『エセ社会学』がはびこっている。
「最初に自論ありき」で、適当に他のジェンダー本から「引用」だけして、
あたかも「調べました」みたいな【怪しげ】な社会学(女性学)の本がほとんどなのである。
しかし、この本はフィールドワークに基づくという。
当然のアプローチだ。
さて、内容は。。。本当に現地に足を運んでいる人がいます。
「最初から決め打ちで、ジェンダー論の為に、見たい物を見てきた」という感じで、
ちょっと結論が無理やりな感じがするものもありますし、
せっかく現地に筆者本人が行っているはずなのに、
肝心の主張部分では他人の書いた本からの引用に摩り替わってしまうのはご愛嬌でしょうか。
仮に「ファーブル昆虫記」で、
肝心の主張部分において、主張の根拠が他人の本からの引用に摩り替わっていたら、
興ざめですよね?でも社会学では「引用」は常套手段。少し我慢して読み進む。
中には、やっぱり他の本からの「引用だけ」の『エセ社会学』になっている人もいます。
危ない、危ない、騙されちゃいけない。
読者は、この本の中から信頼できる筆者だけを選ぶべき。
本の最初に「フィールドワークですよ」と前置きをしているのですからね。
「女も働け、男は子育てしろ」というあらかじめ決めた結論のために海外に行くのであれば、
結局、何を見ても聞いても、学者ではなく、単なるディベーターになっちゃうんだけどね。。。
『フィールドワーク』を免罪符にしないでくれ、と言いたくなる。
しかし、完全なる『エセ社会学』ではないので、星ひとつ増やして、☆2つ。