1.いくら読んでも、「リサイクル」に対する筆者の哲学(一貫した考え方)が伝わってこない。
2.とにかく、筆者の文章表現力がない。A君B君C先生の三者の会話形式は、読みやすい文章にするための工夫のつもりかもしれないが、読みにくくなっているだけである。特に、B君の断定的な物言い(このB君こそが筆者の代弁者だと思われる)が不愉快である。
3.図表の用い方が適切でない箇所がいくつもある。図表を用いるのであれば、それについての説明を本文にきちんと書くべきである。
日本評論社の「地球と人間の環境を考える」シリーズは主張がシンプルでわかりやすい本が多いのだが、本書はその例外である。
リサイクルという言葉が独り歩きしだしている状況を認識していない人、リサイクルが絶対的に善であるという誤解をもっている人、読んでください。環境について考えましょう。
大学でごみ問題について勉強する機会がありさまざまな本を読みましたが、そうしたこれまでの浅薄な認識を正し、新たな知識を肉付けしていく上で一番参考になったのが本書でした。取っ掛かりとして最初にこの本を読んだことは本当に幸運だったと思います。
何よりもリサイクル=ごみが減るは短絡的な発想であることをきちんと理解できたことが大きかったです。ただ、だからといってリサイクルしてはいけないとばっさり斬り捨てるようなこともなく、あくまでも減る場合もあるしそうならない場合もあることを、丹念にわかりやすく説明してくれています。
私の感覚では、ごみを減らせ→リサイクルしましょうの浅薄な論理を使う人はまだまだ多数派のような気がするので、そう考えている方はこの本で一度その論理を見つめ直してみてはどうでしょうか。