賞翫品にならざるを得ない圧力
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「中国社会民俗史新叢書」のうちの高洪興『纏足史』(上海文芸出版社)2007年の全訳である本書は、390ページにふんだんに写真や図版が挿入され一千年余に渡る纏足の文化について多くのことが知れる本になっている。
何故纏足が発展したのか。
纏足とはいったい足がどうなっている構造なのか。
足が纏足である人の日常など、神秘のベールに包まれていた纏足の事実が知れる。
個人的には103頁に掲載されている「西洋人が描いた纏足と天足の骨格」の図版が、多くの言葉より纏足の畸形を物語る。
纏足も天足も賞翫の対象としては一致していて、女性の解放が真に実現して社会的地位が向上しない限り、女性は人の支配に身を任せる賞翫品に過ぎない。