このアルバムに収録されている2つの交響曲のうち、「ハフナー」が、わたしのお気に入り。
まず、第1楽章は、作曲者自身も語っている「烈火のごとき激しさ」を持った、きらびやかで力強い音楽。しかし、このアルバムに限って言えば、「烈火のごとき激しさ」という言葉は、むしろ第4楽章に合っているような気がする。別録の「ジュピター」にも見られた、ティンパニの強打も随所に出てくるし、プレストという、超高速テンポで演奏されているためか、第1楽章よりも、派手さが際立っているのだ。まあ、ニ長調という調は、もともと派手な響きをもっているんだけど。
カップリングの「リンツ」も、「ハフナー」と似たようなタイプ。ようするに、派手派手系。祝祭的な明るさをもった、いい曲だ。このアーノンクール盤は、持ち味がよく出ていて、とてもいい。
アーノンクール&コンセルトヘボウのモーツァルトは、オーケストレーションが派手になりやすい。わたしは、この手の演奏は好きなのだが、賛否両論あるので、4つ星評価にした。