インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

クラシックでわかる世界史 時代を生きた作曲家、歴史を変えた名曲

価格: ¥2,520
カテゴリ: 単行本
ブランド: アルテスパブリッシング
Amazon.co.jpで確認
クラシック音楽を通してみた世界の流れと動き ★★★★☆
作曲家も生きた時代の影響から逃れることは出来なくて翻弄されることも多かったという感想を持ちました。また作曲家の影響力が逆に世の中の流れを変えることもそうでしょう。

クラシック音楽ファンというのは、奏でられる音楽そのものを鑑賞するわけで、その作曲家の生活ぶりや人生遍歴に多少は関心がありますが、音楽の本質とは違う観点で捉える傾向にあります。それゆえ、本書のように、政治史や社会思想史的な観点から作曲家の人生や作曲動機を紹介することによって、従来のイメージとはまた違う像を浮き彫りにしています。

シベリウスによる「フィンランデイア」の功績や、ポーランドにおけるパデレフスキのように、国家の存在に大きくかかわるような人物の排出まで、ダイナミックな紹介もまた世界史の中で音楽家をとらえることの醍醐味だと感じました。

なお、内容は以下の章だてと項目を参照してください。
宗教改革と宗教戦争の時代[1550-1650]─バロック時代前期の音楽と社会、花開く宮廷文化と絶対王政[1650-1730]─バロック時代後期の音楽と社会、バッハの作品に隠された世界史、揺らぐ宮廷支配[1730-1790]─前古典派・古典派の音楽と社会、モーツァルトの作品に隠された世界史、フランス革命からヴィーン体制へ[1790-1830]─初期ロマン派の時代の国際関係、ベートーヴェンの作品に隠された世界史、1830年七月革命と音楽─新ロマン主義の音楽と社会、ヴィーン体制の終焉─1848年三月革命と音楽、ユダヤ人都市ベルリン─プロイセンの移民政策と音楽、ヨーロッパ再編の時代[1850-1890]─帝国主義の時代の音楽、黄昏ゆくヨーロッパ[1890-1914]、第一次世界大戦と音楽[1914-1920]─ヨーロッパ近代の終焉。
世界史でわかるクラシック ★★★★☆
歴史の遺産であるクラシック音楽を「絶対音楽」として受容する向きがあります。
非西洋的な文化的隔絶感を伴った極東の日本においては、「絶対音楽」とは音楽的アプローチとしての客観性を確保する上で有益である反面、その音楽が編み出される背景に対して無関心を助長するものにもなりかねません。
この本は決して完全なる通史ではなく、といって人物史でもなく、歴史的事実に対して作品の背景を当てはめていったことによる断片集的構成になっていますが、十分に迫力に満ちた内容です。
高校の授業で習ったはずの、血生臭い宗教戦争の時代や、現代に至るまでの複雑な対立関係を醸成した19世紀半ばの民族意識の高揚と革命の嵐の中で、作曲家たちがどのように生き抜いていったか、が新鮮に理解できます。

ただ具体的な作品となると、習作やメジャーではない作品が多く採り上げられる傾向があり、そこが不満の種ではあります。
音楽、この人間を動かすもの ★★★★☆
宗教改革からヴェルサイユ体制の完成までを、クラシック音楽の視点から展望した「音楽思想史」ともいえそうな好著。記述も手堅く、その分地味かもしれないが、あれこれの音楽を聴いて楽しむときにも、相乗的な面白さを付加してくれる。

ポーランドの初代首相になったカリスマ的な大ピアニスト・パデレフスキについては、中村紘子の『ピアニストという蛮族がいる』で読んで知っているだけであったが、一体どんな演奏をしたのだろうか?

ブルックナーの記述が1箇所しかないのは、どうしたわけか? 音楽史的には「突然変異」か保守反動の一人とみなされるため歴史書にはなじまないのか? さもありなんという気もするが、ブラームスの扱いに比べてやや不当に思ったのは評者だけか?