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責任と自由 (双書エニグマ)

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 勁草書房
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現代自由論のスタート地点 ★★★★☆
「責任があるためには、われわれは自由でなければならない」
このことが真か偽かの論争は自由意志論争という形で古代から続いてきた。ある哲学者は「責任」の内容を変更することで、ある哲学者は「自由」の内容を変更することで上の命題が真もしくは偽であることを示してきた。
その結果、「責任」の概念も「自由」の概念も多くの変遷を遂げることとなった。

現代において自由の問題、自由意志の問題を考えようと思うと、この概念の多様性にまず頭を悩ませる。
本書は複雑に入り組んだ現代自由意志論争を整理し、最先端の理論を紹介する案内書である。
現代で自由意志論争に取り組むには必読の基本文献を網羅・解説しており、まさに自由を学ぶ者のスタート地点といえる。

「責任」の概念がかわればそれにあわせて「責任に必要な自由」の概念も変化する。
著者はここで「責任」の概念を固定することによって、一定の基準から続いて検討される「自由」の概念を分かりやすく整理している。
哲学の問題を扱うに、現代の哲学から入るのは難しいかもしれないが、著者の筆の進みは論理的で、整然としているので、分からないところは立ち止まって振り返り、読み返せば必ず理解できるはず。
自由の問題を扱う研究者には入門書とするには難解かもしれないが、必読の文献であるのは変わりない。
責任。自由と因果的決定論。 ★★★★☆
責任とはなんだろうか。例えば幼児にたたかれたとするとそこに責任はあるだろうか。飛行機恐怖症の人が飛行機に乗れずに仕事ができない場合、彼に責任はあるだろうか。もし脳に直接命令が送り込まれていた場合・・・。

責任という言葉は容易でない。筆者、成田氏は「自分が行った行為に関して責任がある」という文脈での責任という意味を、その責任が生まれる自由という視点から考察を加えていく。どのような場合ならばそれが責任ある行為となるのか、複数の仮説を用いて解明しようとしている。「別行為可能性」「仮意思実現説」「意思実現説」「自由意志説」「本心実現説」など言葉だけではわかりづらいが、責任という言葉を用いる際に一度は考えておきたい視点だ。

わかりやすい考え方から、徐々に踏み込んで成田氏の現在の思考の状態までをたどる。たびたび出てくる責任における自由の定式化とその説の名前を照らし合わせながら読めば、責任という言葉の不安定さを認識していくだろう。