瞳子の目的とは
★★★★☆
第25巻・「仮面のアクトレス」。
洒落たタイトル、表紙もそれに合わせて挑発的ではありますが(祐巳のリボンも黒!)、この巻は生徒会役員選挙がメインの、かっちりした内容だったりします。
見所の多い巻。一番はやはり、瞳子ちゃんの生徒会役員選挙への立候補。
これにより瞳子ちゃんは、周りの生徒全てを敵に回すことになります。それでもなお、友人として味方であり続けようとする乃梨子ちゃんの健闘ぶりがいじらしいですね。
志摩子さんの、「……由乃さんの、そういうところ好き」発言も必読。
ひとり孤高を貫く瞳子ちゃんとは対照的に、祐巳たち3人娘は実に仲が良いです。あえてこういう描写を入れることで、瞳子ちゃんの孤独っぷりを際立たせる効果を狙っているのでしょう。
最初から最後まで、心の仮面を外そうとしない瞳子ちゃん。一体何の目的で、立候補などしたのか……それが明らかになるのは、また後のお話です。
すべて読みましたが・・
★★☆☆☆
最新刊まで、すべて読みましたが私的には好きな物語ではありませんでした。
とても人気のある作品のようでしたので、手をだしてみたのですが、特殊な世界でして、私が女のせいか少し理解し難い所も多々あり、読後の感想は疲れた・・でした。
文章は、読みやすいのですが、のっぺりとした印象で特別に惹き付けるものではなかったです。
途中、飽きてしまう事もしばしばでした。
あと、キャラクター達の執着心や独占欲の強さが強烈で、それが話の軸になっているのかもしれませんが、ひいてしまいました。
続巻を読むか読まないかはわかりませんが、今のところの私の評価はこんな所です。
気持ちの整理がつかず、ひとり悩む祐巳に必要なこととは‥?
★★★★☆
祥子の家での新年会も過ぎて、3学期が始まった。
いよいよ迫る生徒会役員選挙に不安を隠せない祐巳。
祥子たち3年生の卒業が間近なこの時期、新旧交代の波がリリアン女学園に、
怪しげな黒雲を伴って押し寄せてくる。
瞳子にロザリオを拒否されたショックも癒えず、自分にも自信が持てない祐巳は
(といってもいつものことだが‥)、ゆらゆらと揺れ動く自分自身の気持ちに
振り回される日々が続いている。
正月に、薔薇の家族たちのやさしさに癒されはしたが、あくまでそれは対症療法。
祐巳の成長なくして問題の解決はない。
そして成長とは、他者によって促がされ、助けられてするばかりではなく、
自らが成長しようとする気持ちこそが重要なのだ。
祐巳がそれに気づくことを願っているのは、どうやら祥子だけではないらしい。
姉離れ・妹離れ
★★★★☆
ですね 裏タイトルは。(笑)
表紙で由乃が仮面をもっているのが今回の一話目のキーワード。
奈々のつぶやきのその意味
大切な妹を託す 多分、その思いが今回の真剣勝負
由乃本人ですら気づいていなかった由乃の仮面の下の素顔・・・。
令さまの優しさなのか、厳しさなのか・・・。
乃梨子が瞳子ウォッチャーなら 多分、瞳子は祐巳ウォッチャー
生徒会選挙 瞳子は気づいていたのかも
祐巳が祥子さまの妹だから立候補するのか
一人の生徒として薔薇さまに立候補しようとしたのか
妹はいるだけでいい なんてキャラじゃない瞳子。
ちょっとだけ顔見せ瞳子母
瞳子の事になるとちょっと由乃化 乃梨子(笑)
祥子さま視点!
★★★★★
「黄薔薇、真剣勝負」令と菜々の手合わせがついに実現。明らかに格下の菜々に容赦のない令の真意は…。
表題作「仮面のアクトレス」は生徒会役員選挙。でも、主役は祐巳や由乃を差し置いて瞳子と乃梨子。この二人のぶつかりあいが、「白き花びら」(『いばらの森』所収)での蓉子と聖のぶつかりあいを彷彿とさせる。また、家出の日に心労で倒れてしまったという瞳子の母親が登場したのが気になるところだ。
短編「素顔のひととき」は、3年生ふたりだけのティータイム。ここはなんと実質はじめての、祥子の視点からの記述である!今までは視点になりにくかった祥子だが(『チャオ ソレッラ』で一応出てはくるが、トゲがあって痛々しい)、視点になれる、ある意味で普通の人へと成長を遂げたということだ。それを反映するかのように、前作『くもりガラスの向こう側』以来、挿絵での祥子(と令)の顔付きが以前よりだいぶ穏和で落ち着いたものになっている。
私はこれからまず、祥子や令がどのように高校生活のフィナーレを向かえるのか、じっと見守りたい。祐巳と瞳子の関係が気になっている読者も多いだろうが、物語はこの二人だけのために存在しているわけではないのだから。
P.S.
令ちゃん、中学生相手に、中学生の試合では禁じ手のはずの突きを打つとは本当に容赦ない…。