空っぽ。
★☆☆☆☆
『あんまり怖いので、手にとってもらえるか、心配です』という誇大キャッチコピーに騙され、購入しました。
都市伝説を中途半端に扱った為、中身は空っぽです。
怖く感じる部分なんて、何処にもありあません。
そして、ディーラーの四人は、こういった仕事に向いていない人ばかり。
もっとキャラクターを冷徹にした方が良かったのでは?
主人公が煮え切らないので、盲目の少女とのエピソードも消化不良。
最後にアプサラを引き取れば、読後感&評価も変わっていたでしょう。
また、猫も含め、盲目という点に拘る必要もなかったのでは?
この作品を一言で表すならば、『つまらない』。
やはり、いたたまれないな
★★☆☆☆
自ら朽ちていくわけではなく、親や夫の身勝手のために売られていく女性たち。こんな世界があるのかもしれないが、やはりいたたまれない。
なら手にとって買って読むんじゃない、と言われそうだけど、やはり読んでみて後味は良くなかった。
一つ興味深いのは、生まれながらにして盲目の、生まれながらにして売買されてきた年端も行かない少女のこと。
この少女にとっては、見えない世界が当たり前だし、売られ売られて(特に暴力は受けてこなかったようで)、ほぼ完璧に性の奴隷となってきた世界しかない。
その彼女にとって、おいしいものが飲み食いでき、大事にされ、喜ばれる世界を彼女自身の指標で受け入れているように見える。
これは考えさせられる部分があると共に、ここに生半可に目覚めた義侠心か、愛情かで介入したくなった主人公の甘さが、自分自身の甘さを指さされているような気にもなりとっても不愉快だった。
なんというかな。
うーん、この自分の世界でよかったなぁ、と、なんだか普通の自分でほっとしたよ。
ちょっと、こノ手の作品は、しばらく読まないな。
惰性的な作品
★★☆☆☆
女を売買して,市場で売る。ただそれだけを淡々と描写した小説。
人身売買だから一応違法なはずだが,国内にも買い手が多数いるらしく,なのに秘密が漏れてもいないらしい。
また,商品となる「女」は,いちいち,元所有者(夫や親)と契約を取り交わして買ってくるらしい(もともと違法で無効な契約だから,契約などする意味がよく分からない。捜索願を出させて家出と見せかけるためだけか?)。
筆者の「思い入れのある話」らしいが,どうも,余りストーリーや状況設定を練って書いたのではなく,思ったままを書き流している小説のようにしか見えない。
途中までは…
★★☆☆☆
女性をオークションにかける奴隷市場…。この設定には興味を引かれ、売りに出される女性達の心情も、盲目の少女と彼女を売りに出すバイヤーとのやりとりも楽しく読み進められました。
途中の教育と称した性描写は、個人のお好みで、楽しめる方はいらっしゃるのではないでしょうか。
が、個人的には若干尻すぼみ的な印象を受けました。
本当にこんな世界・商売あったら、と思えれば怖い。
都市伝説的小説としては面白いかも・・・
★★☆☆☆
帯にあるように衝撃的な内容ではあるが、この作品がどのジャンルに属するのか、作者が伝えたかったことは何かが曖昧で弱く感じる。官能小説に属するならば、「奴隷市場」という内容や変態的性癖の人間が行う残虐で冷酷な奴隷に対する仕打ちは使い古されたものであるし、ホラーやミステリーに属するならば、登場人物のキャラクターが弱く曖昧である。もし、作者がなんらかのルートで日本にも実在するアンダーグランドの世界を知り、ある意味での問題提起を含んでいるのならば、外からの目線が弱すぎて感情移入がしずらい。なので、この小説を「だるま女」のようなある種の都市伝説として「横浜にあるかもしれない奴隷市場」や不条理に売られた奴隷達の物語として読むならば楽しめるように思う。
夜の街に繰り出してディープな世界と接触すれば、こうした話はいくらでも聞こえてくる。
「某有名アミューズメントパークで子供が誘拐されて海外に売られている。」「某有名避暑地の金持ちの別荘でオークションが開かれ、大人だけでなく幼児までが殺生権を含めて売買されている。」「外○省には海外のアンダーグランドの売春組織や人身売買組織に囚われている日本人の情報がファイルされている。」「アラブの大金持ちのハーレムに日本人の女性がいる。」
まことしやかに語られるこれらの話が都市伝説なのか、それとも「闇の子供たち」のように現実の話なのか…。
そう考えると「横浜奴隷市場」というものがあってもおかしくないという意味では恐怖かもしれない。