あの時代の高級白人クラブで、「公民権運動歌」を唄うことの凄さ!
★★★★★
追悼の意味で清志郎のアルバムを最近まとめて聴いているが、『Have Marcy』あたりからオーティスが混じりだし、どどのつまりというか当然の如くサム・クックに辿り着いた。数十年振りに彼のソウルにどっぷりと浸かって、稀代のシンガーであることを再認識させられた。面白いのは、最も感動したのは『Copa』で、若い時分に贔屓だった筈のあの!『Harlem』よりも印象が強かったことだ。
この歳になっても普段からストーンズあたりを聴いており、『Harlem』が騒々しいからというのでは決してない。何と云うか、自分の歌を白人の聴衆に理解してもらおうと魂を込めて唄っている(媚や諂いでなく)ことが理解でき、それに心を打たれたのかもしれない。共有の「ツイストで踊りあかそう(Twistin' the Night Away)」を聴き比べると、確かに『Harlem』での聴衆との一体感は凄いしsaxもいい味を出しているが、『Copa』での唄い込み(歌心?)は見事だしブラス・セクションの歯切れの良いアンサンブルも素晴らしい。注目すべきはギターの巧さで、特にバラード(「Try a Little Tenderness」や「When I Fall in Love」は泣ける!)での控え目かつ繊細なプレイには痺れてしまった。
さて今更ながらに思うのだが、若さゆえに見落としていた往年の時代背景等々を考えるに、この『Live at the Copa』は実は画期的なアルバムではないのかと・・・。『白人の歌を唄ったりして随分サービスしてるじゃん?』などと、当時はいささか皮肉っぽく眺めていた。しかしながら、「If I Had a Hammer」(P・シーガー)や「風に吹かれて」(B・ディラン)は当時は労働運動や公民権運動の際にさかんに唄われていたプロテスト・ソングである。「コパカバーナ」といえば当時ニューヨーク1を誇る高級ナイトクラブであり、いくら人気が絶頂期とはいえ、黒人シンガーが殆ど白人(それも支配者階級?)のオーディエンスを前にして唄う曲目ではないように思えてならない。そういったことを考えながら聴いてみると、彼の気骨のようなものを感じて、より一層彼の歌が心に沁み入るのかもしれない。
もう白人にこびた黒人なんて言う親父はいないよね!
★★★★★
はっきり言って、白人の前でこれほど質の高いライブをした黒人歌手は、いたんだろうか、と言うのが率直な感想。
ビートルズを初め、白人のミュージシャンからも一目置かれていたSam Cooke。
彼ほど、すべての黒人音楽を愛し、黒人としての誇りを持ち続けた歌手は、あの時代にいたのだろうか。
このCDは、そんな彼の極上のエンターテインメントの貴重な記録であり、素晴らしい、音楽CDである。
彼が、時折見せる高らかな笑い声、これが、どれほどおおくの黒人を勇気づけただろう。
このCDは、彼の息遣いまでこちらに届けてくれる。おまけに、アナログ盤にはなかったバンドメンバーの紹介まである。
黒人コミュニティの中でのネッキョウテキライブに感度すすることはとても素晴らしいことだけど、もう一つの、人を喜ばせるという彼の人柄を感じにやにやするのもいいと思う。
べっしー・スミスの曲も。シナトラの曲も、ディランの曲も、すべて自分の曲にする彼の懐の深さを感じてください。
soulful!
★★★★★
SACDの互換機が必要です、と書いてあったので、買うのを躊躇してしまいましたが、別にうちの普通のCDプレーヤーでも聞けました。
内容ですが、ビッグバンドを従えてスタンダードを歌っています。この人はリズムのノリがとても黒くて好き。R&Bでもかっこよかったけど、こういうスタンダードを歌うとまたそれもよし。当時のポップナンバーも、結構楽しめます。Bob Dylanの「風に吹かれて」は、かなりしつこい出来ですけども。
このCDが気に入ったら、次はDinah Washingtonもおすすめですな。
「これは名盤です」に大賛成!
★★★★★
私は、サム・クックこそブラックミュージック史上、最高の歌手だと確信しています。そのクックのベストアルバムが、この「at the Copa」。
彼のエンターテイナーとしての実力が遺憾なく発揮され、まことに楽しい1枚です。そして、楽しい中にもブラック・ミュージックとしての切なさが…。
文句なしに星5つの大傑作です!
「これは名盤です」に大賛成!
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私は、サム・クックこそブラックミュージック史上、最高の歌手だと確信しています。そのクックのベストアルバムが、この「at the Copa」。
クックのエンターテイナーとしての実力が遺憾なく発揮され、まことに楽しい1枚です。そして、楽しい中にもブラック・ミュージックとしての切なさが…。
文句なしに星5つの大傑作です!