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世界をだました男 (新潮文庫)

価格: ¥700
カテゴリ: 文庫
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感想は『フィクションなら最高だったのに』 ★★★★☆
映画を大分前にみていて、ふと実在の人物なんだと思い出し読んでみました。
読み始めたが最後、面白いなんてもんじゃなく食事もそっちのけで読みふけりました。

…ただ1つ、残念だったのがこの本がノンフィクションだということ。
これがフィクションだったなら、読み終えた瞬間「最高だっ!!」と叫んでたかも。

この本が彼が自分を正当化するために書いたように思えたから。
お金を騙し取ることより、人の信頼を裏切るほうがずっと罪深いものでは?
ぼくも詐欺師になりたい! ★★★★★
主人公は16歳からアメリカやヨーロッパで詐欺を繰り返して何百万ドルと荒稼ぎするのだが、そのやり方の実に大胆なこと! 基本は偽造小切手を換金して発覚前にトンズラというローテクな手口なのだが、パイロットを装って各地を無賃で移動しながら銀行を荒らし回ったり、添乗員の偽募集に集まった女の子たちをダシにしてヨーロッパじゅうのホテルから大金を巻き上げたり、果ては自分を追うFBI捜査官を装って捜査の手を逃れたり……。各地で出会うスチュワーデスや看護婦も彼にはメロメロ。こんな話がノンフィクションとは許せませんねえ。

でも、身元を詐称して自分と違う世界の人たちと親しくなるというのは非常に魅力的だ。経歴から名前からすべてを創作し、合法的に相手の信用を得るのだ。ネットの世界ではよくある話だけど、リアルでやるには入念な準備や演技力が求められる。自分の能力を試みるチャンス、実に大きな挑戦ではあるまいか。

スタイルこそ命 ★★★★★
 まだ未成年のうちからこれほどの堂々たる演技・知的な詐欺がこなせるなんて、ただただかっこいいものです。ばかなちんぴらとは格が違いますね。これで高校中退とは、やはり教育制度に疑問を感じます。アメリカだけど。
 肝っ玉も据わっているし、このひとが違う道を歩んでいたら、たぶんまた違った成功の仕方をしていたのだろうなと思ってしまいます。でも詐欺の継続に努力をささげることができても、生活水準を上げるまでの下積みの努力はささげられないのだろうな。いきなり金も女も豪邸も車も欲しいものですからね。
 僕がいちばん迫力を感じた場面は、詐欺の場面でもロマンスの場面でもなく、フランスの留置所の場面です。犯罪者には人権などないのです。犯罪者の更正なんて信じていないのですね。痛覚に対する直截な罰ではなく、じわりじわりと追い詰めていくのです。暗闇、裸、非衛生、食事……。フランス人ではなくてほんとうによかったです。たぶん映画ではこの場面はこんなに描かれていないでしょうね。
 そう、まだ僕は映画を観ていません。今度レンタルして観てみようかな。
女の子のせいだよ、お父さん ★★★★★
「あいつら、おれに何か不思議な力を振るうんだ。うまく説明できないけど」
「それは心配せんでもいい。アインシュタインだって説明できないことなんだから」
という、親子の会話からはじまる詐欺。
 父親に最初の詐欺を働き、その後世界を又にかけて小切手詐欺をつづけ16歳から21歳で逮捕されるまでの著者の自伝です。
 パイロットになりすまし、飛行機をただ乗りし、宿泊施設をカラ小切手で渡り歩き、小児科医として病院に勤務し、夏期講習の大学講師をしたり、法曹家になって裁判所で働いたりと、驚くような詐欺を披露しています。
 「女の子にもてるために、」その一点でこんな詐欺をしてあるいたんだ、と思いながら読むとますます可笑しい本です。
 現在まっとうな仕事についているというあとがきに、ホッとしました。
 憎めないタイプの詐欺師。
 とても面白い本でした。
世界で最も魅力的な犯罪者 ★★★★★
映画「キャッチミーイフユーキャン」に続いて本書を読み、この20世紀最大の詐欺師といわれるフランク・アバネイルは、稀代のどんな政治家、芸術家、スポーツ選手にも引けを取らない、魅力的で憧憬に値する人物だと感じた。
この人物に興味を持つ多くの方が、同映画を観た上のことであると想像できるが、映画だけではわからないこと、映画を観ると逆に見落としてしまうことを、本書から発見することができる。
映画が撮影・公開された当時、アバネイル演じるレオナルド・ディカプリオは20代後半。若々しく抜群に均整のとれたその容姿で、アバネイルを高校時代から演じているが、実際はこの逆。アバネイル本人は、悪く言えば老けて見える容姿のようで、実年齢よりもずっと年上に見られることが多く、この点が彼の詐欺を大いに支える要素となった。医者やパイロットなど高度な専門性を要する職業になりすませたことにも驚いてしまいがちだが、これも「むしろ」というべきだろう。心理学的な「制服効果」によって、周囲もまさか偽者とは露にも感じなかったはずだ。
その人間的魅力で巧みに様々な階級・職業の人々を信頼させ、彼に必要な知識(パイロット用語、医学用語などなど)を引き出していくテクニックは、とにかく見事。例えビジネスマンであっても、この稀有な天才のコミュニケーションスキルと上昇志向溢れる生き様からは大いに刺激を得られるはず。是非一読をお勧めしたい。