単なる戦争メロドラマでもない
★★★★☆
僕は配給会社のつける邦題というものが大嫌いなんだけど、このトリコロールに燃えては、原題の趣旨からはずれているけど、それなりにまあまあというところだと思う。tricolore (three colors)、つまりイギリス、フランス、スペインという三つの色を持つ国が舞台であり、三人三様の生き方が織り込まれているという点で、さらにいえば、主な舞台になったフランスの国旗が三色旗だからという点で、まあまあとは思う。しかし、原題のhead in the cloudsには、空想にふけって、とか、非現実的な、という意味がある。この場合、後者の、非現実的なまでにドラマティックな三人三様の愛のドラマ、という意味が正確なんだと思う。
ドラマティックなメロドラマであり、スペイン内乱と第二次世界大戦という戦争という状況設定、しかも三人の主人公がそれぞれの形でその状況に加担しながら、それぞれに愛し合う。そんな意味では実に非現実的である。
中心となる主人公は、Charliz Theron演じるGildaといっていいが、前作のMonsterで体重を増やしてからまた減量して挑戦する姿勢は凄い。その減量法をまねたいくらいだ。ただ首回りのあたり、少しふくよかさが残ってる。相変わらず顔はきれい。ただしほくろの多い背中とそばかすの胸はあまりいただけない。彼女のカレンダーを見ながらいつもそんなことを思ってる。ま、どうでもいいことだが。
三人の主人公はそれぞれの主義にしたがって行動する。そうなるとバラバラになってしまいやすいし、そういうところもあるのだが、不思議に縁がつながっている。そこは映画でもあるし・・。Gildaの思慮深くも奔放な性格は、結局、連合軍に情報を送っていたという下部の活動が理解されぬまま、家族を殺されたレジスタンスによって殺害されてしまうけど、まあ、こうした形で同盟者が犠牲になることもあったんだろうな、とちょっと考えさせる。人間、なかなか理解されないものだと思う。
まあ、そんなことなどを考えさせてくれる点で、これは単なる戦争メロドラマとは一線を画しているといえるだろう。
シャーリーズ・セロン 魅力爆発
★★★★★
私の大好きな、シャーリーズ・セロンの会心作。
彼女のあらゆる魅力が次々と現れる。
前年のモンスターは、私から言わせると、最低の作品。
シャーリーズ・セロンの美貌を破壊した恐怖の愚作。
本作は、時代背景、役柄、撮影、とも、見事の一言。
ラストの手紙は、大スター、シャーリーズ・セロンそのもの。
これこそ、真のアカデミー。私は、声を大にして叫ぶ。
トリコロールってなに?
★★★☆☆
フランスの三色旗の事だそうだ。
官能的に見事にセロンが演じ切っています。
運命を受け入れ精一杯生きた女性
★★★★★
とにかくシャリーズ・セロンの魅力たっぷりの映画です。
美しいとは思ってたけれどそれほど好きではなかったのですが、とにかくヒロイン、ギルダ役は本当にはまっていました。
オスカーを獲得した「モンスター」の力演も認めますが、この映画のシャリーズもまさに「女優」魅力にノックアウトです。
物語の導入は少女時代のギルダに告げられる手相占い、そこから彼女は「今」を生きる女となります。
大学時代彼女に出会い、生涯彼女を愛しながらも、彼女との安穏な状況に満足できず戦地へと赴く青年ガイとの恋愛が中心となったラブストーリーですが、そこに絡んでくるのが
故郷で内戦に巻き込まれその過去から逃げるようにパリにやってきて奔放な生活を送りながらも心の半分を故郷スペインに残してきた女性ミア。
この三人の関係も非常に面白く、ゴージャスな着飾ったペネロペクルスの美しさはため息ものですが、ほぼスッピンで戦地で看護婦として従事している彼女からは内面の美しさも伝わってきます。
ストーリーもしっかりしていて飽きさせません。
古臭い設定という意見もあったようですが、こういった正統派恋愛ストーリーの映画
好きですね。
艶なる甘美な旋律で魅惑的な作品です。
★★★★★
マルチなトップ女優ともいえるシャーリーズ・セロンのラブストーリーですが、彼女の情熱的で小顔且つ美顔とは一致しない切れ味鋭い男勝りなところが前面に出ている作品です。
脚本もしっかりとしており、1930-1940年代の戦前から戦時下のパリを舞台に設定し、潤沢で平和な街から不穏な世の中の流れへの変遷と並行して進むラブストーリーが見どころのひとつとなっています。
シャーリーズ・セロン、それに実の伴侶であるスチュアート・タウンゼント、スペインの美形女優ペネロペ・クルスといった颯爽たる面々です。
ギルダ演じるシャーリーズ・セロンはバレエをやっていたこと、ガイ演じるスチュアート・タウンゼントはアイルランド・ダブリン出身であること、ミア演じるペネロペ・クルスはスペイン人であることがこの作品の中の設定が同じです。
原題の「HEAD IN THE CLOUDS」より邦題のほうがうまくつけており、トリコロールとは、英語ではTricolour(三色)で、フランスの国旗(三色旗)を意味しています。
「トリコロールに燃えて」は、艶やかに映える甘美な旋律の中で、炎が燃え盛るような強い感情を示し、それは恋であり、侵略戦争に抵抗するものを表現しています。