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性犯罪被害にあうということ

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本
ブランド: 朝日新聞出版
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「この私」として理解してほしいということ… ★★★★☆
この著者は2年ほど前にAERAでインタビューを受けていた記事を
思い出す。性犯罪被害者がいかに癒されないかを、冷静さの中に
怒りと嫌悪を含みながら、とうとうとと語っていたのが印象深かった。
本書はそのとき同時に出版された手記だ。

この犯罪が被害者に残す爪痕は深く、そして長い。それは、200ペー
ジ以上あるなか実際に事件に遭う箇所は、そのなかの冒頭のほん
の10ページあまりしかないというこの著書が、如実に物語っている。
「性犯罪被害にあうということ」はそこで終わるのではない。そこから
始まるのだ。

犯人不在の中で著者が戦うのは、自分を見つめる周囲の目に他な
らない。本来は被害者である自分が、なぜ後ろめたい気持ちを抱え
なければならないのか。著者はそう自問する。両親のあまりの厳格
さと無理解さは一般化できないにしても、レイプは被害者の口さえも
封じるという風潮はいまだ社会に残っている。

そんな著者の、周囲へのトゲのある言動は読者を困惑させる。「なん
で分かってくれないの!?」と叱責すると同時に、「分かられてたま
るか!?」と罵倒する。そこには強姦に遭遇した「この私」の固有性
という一人で抱えるにはあまりにも重い荷物への悲鳴とともに、そん
な重き「この私」をそんな安易にわかってもらえるはずがないという他
者への諦めが、同居している。

だから、この著者が実名と顔を公表してこうやってメディアに登場した
のは、性犯罪被害の現状をもっと強く訴える手段であったと同時に、
「この私」としてその苦痛を理解されたい、そんな強い願いがあったよ
うに感じる。

これを読んで、犯罪被害者の気持ちに共感や代弁をしてあげられる団
体が組織づけられればいいと思うと同時に、それでもなお「この私」の
体験としての固有性にそっと手を添えてあげられるような人が、周囲に
必要なのだと思った。それだけにやはり、周囲の人間のこの問題への
正しい理解は不可欠なのだ。
日が暮れてから、外出しないこと ★★☆☆☆
空巣に入られる家、入られない家。
ストーカーに遭う人、遭わない人。
詐欺に遭う人、遭わない人。
犯罪に遭う人、遭わない人。

犯罪は悪い。それでも、一定数は、犯罪を犯す人はいる。犯罪が減った統計はあるが、ゼロにはならない。
ならば、被害者側も用心するしかないのではなかろうか?
日が暮れて、一人で外に出ない、など自衛も必要ではなかろうか?
 
ドラマなどでは、夜の公園がロマンチックな設定で出てくるから危険だと認識されていない事もあるのだろうか?



理解ってなんだろう? ★★★★★
アメリカの古くからのジョークに、女性の気持ちは永遠に、さらには神ですら理解できないと言う主題のものが多くある。
常人の男性同士であっても相手の本当のところを理解することなど不可能だろう。
筆者は男性で妻子がいるが、付き合いの長い連れ合いの気持ちや考えている事、わたしの(ごく普通だと思っている)態度に対しての反応など、信じられないようなリアクションが返ってくることが連れ添って20年近くにもなるが多々ある。
だから逆に、筆者は自分以外の誰かに理解してもらおうとか、十分に受け入れてもらおうなどと思っての要求や言動は起こさない。
これは、本書を読んだからということでなく、処世術として若い頃から身に付けてきた事だとおもっている。
本書は、他のレビュアー氏も書いている通りだが、著者自身が周りの理解を求めたいと言う主旨で貫かれている。
最後まで自問しながら読んだが、唯一の両親、無償の愛(子どものすべてをそのまま受け入れてくれるというもの)に渇望していただけではないのだろうかと・・・

冒頭に記したが、女性(同性でも他人)の気持ちなど到底理解できない。
できることはと言えば、相手の気持ちを1%でも否定しないこと。それしかない。でも、受け入れる側にも立場がある。
会社内の仕事においてもそうであるが、周り人間を巧く使って自分の成し遂げようとしていることを遂行しようとする実務力が男性にはある。
悪く言えば目的のためには手段を選ばず、犠牲をも厭わない態度だ。女性にはこれがない。まず、身近な者への配慮が先立つ。これが女性の良いところでもある。
世には女と男しかいない。男性からの性行為の要求を偏ってしか受け入れられない著者の周りに男性の関係者が多い事が、著者の回復を遠回りさせているのか?
過去の事実は永遠に消し去る事はできない。ましてや忘れる事なども到底不可能だろう。
それならば、過去と上手く折り合いをつけようとするか、社会の資本を使って自身の回復をはかるしかないとおもうのだが・・・
ここが、女性と男性の違いなのだろうか?
著者をダシに使うようで申し訳ないが、少しだけ連れ合いを含め女性の気持ちに近づけた気がした。
興味本位であっても ★★★★☆
本書では、性犯罪被害に遭った小林美佳さんの心情が赤裸々に綴られている。
本書を手にした人の中には、興味本位であった人も少なからずいると思う。
しかし、そのことは大した問題ではない。
一人でも多くの人に読んでもらえば、それだけ著者である美佳さんの
想いが伝わる人が増えるのだから。

本書を読んで確かに言えること、それは
「少なくとも美佳さんは、性犯罪被害に遭ったことで、本書で語っているような心情に至った」
ということだ。
美佳さん本人も述べているように、性犯罪被害に遭った女性の全てが美佳さんと
同様の心情に至るわけではないし、他の被害女性の心情等に関して何ら統計的な
データを取ったわけでもない。

とはいえ、美佳さんが一人の女性として発する言葉は決して軽いものではない。
たとえ普遍的ではないにせよ、性犯罪被害に遭った女性が何を感じ、周囲の人たちに
何を求めているかは、ある程度は理解できるはずだ。
特に、被害の初期の段階で被害者である女性と接する行政及び司法機関の関係者や
医療機関、カウンセリングの従事者らは心しておくべき点は多い。

ただ、本書を実際に読んでみると、美佳さんが周囲の理解の無さに対して、
自己中心的な批判をしているとの印象を受けるかもしれない。
実はそれは誤解であることを知ってほしい。
元々、本書は最初から出版目的に書き下ろされたものではなく、美佳さんが
被害に遭ってから日々綴っていた心情を公表しただけのものである。
思ったこと、感じたことをそのまま書いているのだから、自分の想いと異なる
各種機関の対応や他人の反応について、批判のひとつも出るのは当然のことである。

では、なぜ美佳さんがそのような心情を公表したのか。
思うに、美佳さんだけではなく、美佳さんが相談を受けている性犯罪被害に遭った
多くの女性たちも、美佳さんと同じような想いを持っていることを美佳さんが知った
からではないか。
行政などの公的機関だけでなく、被害女性たちの周囲にいるもっと身近な人たちに
自分たちの心情を理解して欲しいとの想い。
この想いを理解すること、或いは理解しようとすることの大切さを本書では訴えて
いるのだろう。
この本の キーワードはね 「理解」かな ★★★★★
1.内容
著者は、強姦未遂罪(刑法第177条、第179条)の被害者だが、その事件、事件についての心の軌跡、周りの人間がどう対応したか、被害者支援をするまでの軌跡を描いた本である。この本において著者が伝えたいことを私なりに解釈すると、被害者、ならびに周りの人間は、お互いに「理解」することを心がけるべきだ、ということになろうか。
2.評価
(1)被害に遭われた方がどのような心の軌跡をたどったかの一例がかかれており、理解の一助になる(もっとも、被害者は(人間なので)個性的なものだから、皆がこう感じると取ってはいけない)、(2)被害体験をたどることによって、被害に遭われた方の悲惨さがわかり、抑制の可能性がある、といった、有益な本だと思うので、星5つ。