個々のディスクの演奏評は従たる地位に甘んじていますが、取り上げたディスクの枚数が非常に多いことから 、やむをえないといえます。というより、短評を加えたディスク数の多さに圧倒されます。たとえば、ヴィヴァルディの四季は81枚、バッハのブランデンブルク協奏曲は65枚、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は78枚・・・。100曲について取り上げられたディスク数3409枚というのは、ちょっと凄まじいものがあります。よくこれだけたくさんの録音を聴いたなと感心します。この書物は名盤鑑定百科シリーズの第4冊目で、他に『交響曲篇』『管弦楽曲篇』『ピアノ曲篇』があるそうです(全部吉井氏による著作)。どれも3000枚前後の録音に短評を付しているとのことですが、あまりの量の多さにただただ呆然とするばかりです。他のシリーズは読んでないので分かりませんが、少なくとも本書(協奏曲篇)については買って損は!しません。非常に良い仕事をしています。
CDのノーツについている無味乾燥とした解説よりも、よっぽど本書の解説のが良いです。これからもずっと愛読しようと思います。