これを含め、合計12の短編が収載されている。出来映えは、文庫で入手できる中では「踊る警官」「ジゴロー!」の方がよい。正直なところ、本作品集はかなり劣る。小さな思いつきを膨らませて作ったような、質量の軽い作品が多い。
そんな中で「オールド・ウエスタン・ママ」は佳品である。ギャグまんがではなく本書の中では異質であるが、人生の前方しか見ないこと、の浅薄さを訴えているように思う。