この本は、「人間は、一体、この自然界でどれほどの事を為し得る存在なのか?」という問題をめぐって、私達にとびきりの刺激を与えてくれます。これは、「人間の可能性」についての本です。
コジェーブは、本書に於いて、彼の理想としての人間像を描き尽くそうとします。彼は、究極の理想社会を作るまでに至る人間の可能性を、いわば整合的な論理を超えた一つの「物語」として、本書で提示しています。
本書は、元来、講義でコジェーブが継続的に六年間語り続けたものを活字化しており、いわば、一人の若き天才哲学者の「知識」と「教養」と「情熱」の結晶!と言えるものです。
「とことん人間について考えてみたいなぁ」と、一度でも思った経験のある人ならば、しばし時間を作って本書を開いてみてください。
すこぶる鍛えられますよ。