「人間」を出発点として議論をスタートし
「社会統合機能」をキーワードに法と社会の関係を論じています。
本書でいう「法」は具体的な実定法(憲法や刑法や民法など)ではなく
より広い意味の法を指していて、大きな視点で法と社会の関係を記述しています。
議論の主な範囲は法哲学・法制史・法社会学などいわゆる基礎法と呼ばれている分野です。
基礎法分野に興味がある人には入門書として最適だと思います。
具体的な実定法がどのように社会と関わっているのかは書かれてはいませんので
(たとえば憲法と社会の関係 ・ 民法と社会の関係 ・ 刑法と社会の関係など)
そうした各実定法の社会における機能について関心がある場合や
それぞれの実定法の概略に興味がある場合はたとえば
白取祐司「事例DE法学入門」などがよいかも知れません。