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法哲学入門 (講談社学術文庫)

価格: ¥1,008
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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臓器移植から著作権まで、アクチュアルな問題をあつかう法哲学 ★★★★☆
ハーバードのマイケル・サンデルの講義が紹介されて以来、日本では突如 として哲学
ブーム(?)が巻き起こっているが、本書がテーマとするのは それと密接するであろう
法哲学である。「法学セミナー」での連載を加筆 修正した形態をとっている。本文中に
て、法学部生以外の学生が受講する一般教養の授業の方が雑談は交じえていておも
しろいと述べているが、まさに本書にはそのような、法哲学の門前で初学者が途方にく
れないようなるべくおもしろい話、エピソードにつなげていこうという著者からの配慮がな
されていて、好感が持てる。

本書を読むと、法哲学が「法を哲学する」ことであり、同時に「法(律)をとおして哲学する」
ことがわかる。抽象論(ex.命とはなにか)と具体論(ex.脳死を人の死と認可する法律)を
架橋する学問なのだ。本書では、そもそも法哲学あるいは法とはなんなのか?から、「悪」
「罪」といったものの恣意性、、こうであると定められれば法なのか(実定法)、それとも人
間にはアプリオリに定められた法があるのか(自然法)まで、包括的に論ぜられる。西洋
と東洋を横断する著者の知識もさく裂する。

あとがきにて、著者自身はケルゼニストであるということを明かしているが、一般的な法哲
学の入門書としてのバランスは十分に取れていると思われる。ただ、著者の雑談を織り交
ぜた文章が、かえって論旨を見えにくくしていて、なんども読み返してくなる一冊。
法哲学「エッセー」 ★★★★★
本書は、著者が1980年代初頭に法学セミナー誌に連載し、
1982年に単行本化されたものですが、このたび講談社学術文庫に再録されました。

本書は、文字通り法学と哲学との交点にあたる「法哲学」につき、
私たちに身近な題材から説き起こすというものです。
目新しく感じるのは、西洋哲学のみならず、
中国の諸子百家の著作にも多く依拠している点です。

実定法全体を手のひらに乗せ、
哲学の視角からあーでもない、こーでもないと論じる本書は、
話題の豊富さや巧みな文章力といった点で、類書から秀でています。
学生時代、基礎法学の学習を怠って政治学系の科目などに逃げた私のような愚か者に、
うってつけな一冊だと思いました。
ただし、本書はあくまで「法哲学」の入り口まで誘うに過ぎませんが…。
第一章は秀逸。 ★★★★☆
法哲学の入門書を書くというのはやはり中々難しいことであるらしい。
本書はタイトルこそ『法哲学入門』となっているが、著者はあとがきで きちんとした入門書ではないことを認めている。
それは著者の責任ではなく、つかみどころの無い「法哲学」という学問が持つ性質のせいであろう。
本書を読むことによってそれは読者に対して少なからず伝わるはずであり、そういう意味で実際は本書は「法哲学の入門書」としての役割をきちんと果たしているのかもしれない。

とは言え、全六章で構成されている本書は全体としてまとまりがなく、面白さ・わかりやすさの波が激しいのも事実である。
第一章「法哲学とは何か」では、まず哲学と法学とは何か、ということについて論じており、下手な哲学の入門書よりも哲学についてわかりやすく解説してあり、法学との違いも良くわかって大変面白い。
第二章以降は、儒家や法家なども絡ませてところどころ興味深い記述も出てくるが、基本的には終わり向けてだんだんと面白くなくなっていくといった感じである。

第一章は☆5つ。総合で☆4つ。
自然法とか国家とか、やはりそうだったのかと納得 ★★★☆☆
 法哲学者を自認する著者が、法哲学について書こうとしたらこうなったという本。哲学の本質は知救心の暴走だそうで、法に関わる哲学にはこんなものがあるというような内容が含まれている。
 哲学とはともあれ考える習慣から生まれるものだから、考えるための材料が豊富に含まれる点は良い。とはいえ、知救心の暴走という形で哲学している本書は、題名を根拠に多くを期待すると落胆を招くのではと思う。