まずこの本は、難関大入試を集めただけのような問題集ではない。
医学部攻略に向けて、出題傾向を分析しそのウエイトに応じて
テーマ分けがしっかりされている。

それらは重要かつ明確なもので、内容もよく掘り下げられている。
題材として扱う問題は、決して大学名で選ばれたものではなく
テーマがきちんと理解できるように厳選されたものと推測できる。
この点も良いと思う。

巻末の4回の模擬試験は、できればオリジナルの問題をそろえて
ほしかったが、しかしスタイルとしては十分工夫されており
勉強する意欲をかきたてられるであろう。

中経出版の数学本というと
イラストやふきだしがやたらと挿入された
スタールというイメージで私はあまり好みではなかったが、
この本に関してはきちんとした説明の柱がまずあって、
それらをわかりやすく理解するための補足説明としてふきだしが
つけられている感じなので、とても読みやすい。
かつその補足も適度なレベルを維持している。
解説の部分を読み進めるだけでもかなり参考になると思われます。