「今は何も無いが・・・何も無いことを最高の武器として闘う　これが私の人生だ」
この一行で結ばれる言葉を胸に抱いて事業に成功し、ついに100億円もの資産を手にしてしまったベンチャー企業の若き社長。
彼はこの言葉を社訓にした。

この書は、短期間で巨万の富を築いた社長の自叙伝でもある。
二十代の頃から訪問販売のセールスに才能を発揮。
２５万円もの高値をつけた布団や節電器などを売りさばく。
扱う商品は次から次へと変遷するが、彼の戦術はその頃すでに確立していたようだ。
商品をできるだけ安く仕入れて何倍もの売値で売りさばき、頃合いを見て手を引く・・・。
日本テクノを立ち上げてからは、顧客が商品を返品・解約できない戦術も身につけた。
かつてＧＭやクライスラーが高度な金融工学を駆使して用いた戦術「ローン会社との提携」作戦である。
若いながらも、見事というほかない巧みな販売戦術である。

やがて彼はトップセールスマンという、いわば魚獲り上手な鵜の地位を捨て、鵜を操る「鵜匠」へと方向転換する。
世の中には、鵜匠の手綱が頼りの鵜も少なくなかったようだ。多くの鵜が彼の元に集まる。
集まった鵜に対しては上述の「社訓」を強いる。だから鵜たちは未だに「最高の武器」を手にしたまま・・・。

短期間で成功するためのノウハウは、ここに極まるのではなかろうか。

私は地方のさえない会社員です。
いつか成功してやると野望をいだき
自己啓発本を読み漁っています。

この本はちょっと相性が合いませんでした。
一人称が「俺」という時点で気づくべきでした。
「すごいなー」という感想だけ。
目新しい言葉やノウハウは見当たりません。
そもそも私ごときがベンチャー社長の生き様を
参考にしようとしたこと自体間違ってたのかも。