参考になりますが・・・
★★★☆☆
序章 なぜ自動車保険を疑うのか
第1章 自由化10年がもたらしたもの
第2章 最低限知っておきたい自動車保険の基礎知識
第3章 これが「落とし穴」の実例だ!
第4章 元示談交渉人が明かす「損保の体質」
第5章 自動車保険の賢いかけ方
第6章 泣き寝入りしないために
という構成である。
1章、2章で詳しくわかりやすく解説し、3章、4章と考えさせられる内容である。
ここまでは非常にいい本だという感じであるが、購入した動機としては保険の
見直しの材料とおもっていたのに、5章、6章については言及したボリュームの
少なく物足りなさを感じた。損保の実情理解、事故事例としては良いが、自分
のように保険更新時の参考にしたいという意味では、お勧めできないかもしれな
いですね。。
一皮むけてくれ
★★★★☆
この人の活躍は凄いと思う。
日本では自動車にネガティブイメージを与えるような書き物はタブーというか、ほとんど見ないものだ。一般書店で入手できる書籍で正面から自動車と周辺システムを批判しているものは非常に少なく、TV・新聞等メディアからはほぼ黙殺されている。自動車メーカー、最近さすがに元気がないとはいえ、カネにモノを言わせてメディアを買い取り、「車って楽しいよ。無いと不便だよ」と洗脳して回る力はさすがなのだ。そうした中で、ワイドショーなどで「車は怖いよ」と訴えるこの人は異色の存在だ。
この人の特徴は、「自動車そのものは好きであり、直接の批判対象としない」という点で、そこがドライバーにも広く受けているのだろう。警察のずさん捜査や保険会社の払い渋りによって死亡ドライバーの受けるべき6000万円の補償がゼロにされている、などカネの話に終始しているところも分かりやすい。車そのものをネガティブな存在と発信する意図がなくても、図らずも自動車を巡る闇を語ることで、「車は楽しいばかり」と洗脳された消費者に、「甘いもんじゃない」と警鐘を鳴らすことになっている。
ここまでの実力をつけた人は、是非一皮むけてもらいたい。
交通死の補償から一歩進めて、悲惨な交通死そのものを防ぐことこそが重要なのだ。
警察には事故捜査ではなく徹底した速度取締り等が必要だし、自動車メーカーには乗員の安全ばかり売りにせず、「車外の人を殺さない車」を作る責任がある。自重1トン、走行速度50キロ超などという自動車の過剰なスペックが殺人につながるのだから。警察とメーカーが本気になれば、交通死など現在の100分の1になるだろうに、自動車産業優先・道路建設優先の産官複合体は「年間5000人くらいならまあまあ」などと考えているのだろう。
筆者はバイク好きでもあるが、保険会社の払い渋りが解消したとて、今後ともバイク乗りの犠牲数は減らないのだ。
交通問題をワイドショーに乗せる実力を背景に、是非「人間の交通権とは何だろう。なぜ自動車(特に四輪車)は人の命を危険に晒しながらあんなに我が物顔で道路を占めることが許されるのだろう」という問題提起に進んで欲しいと思うのだ。
考えさせられる内容
★★★★★
単純に自動車保険に入っているから安心と考えていましたが、保険業界のずさんな対応や営利主義的な加害者無視の対応が赤裸々に書かれており「むむ」とうなってしまいました。
保険に入っていても保険業界はできれば保険金を支払いたくないのだという、ある意味企業であれば当たり前のことを思い知らされました。やはり自分の身は自分で守らないといけません。この本を読むとドライブレコーダを買おうかなど非常に考えさせられます。
非常に参考になりました。
何のための保険か考えさせられる
★★★★☆
自動車保険を契約するに当たって予備知識を手に入れるために読んだ。
本書は「どの保険(会社)が良いか」とかそういう内容ではなく、
「どういった保険をかけるべきか」という点に絞ると非常に勉強になる。
基本的に損保会社の払い渋り問題を糾弾し続ける内容ではあるが、
自動車保険とは何ぞやといったことを簡潔に分かり易く記している。
本書を読んで、自動車保険は決してケチってはならないものだということと、
いざという時に保険会社が事故の加害者・被害者にとって
恐るべき存在になりうることが、紹介されている事例で分かった。
万が一の保険だが、吟味することの大切さと、契約者・請求者は前提として
しっかりと勉強と対策をしておく必要があることを痛感した。良書。
いざという時に役立つ本です
★★★★★
柳原さんの著書はほとんど読ませていただいております。このたび発売された「自動
車保険の落とし穴」は、まだ事故に遭われていない方の予備知識として、また不幸に
も事故を起こしてしまった方、事故に遭われてしまい、今まさに自賠責、任意保険で
お悩みの方々にとって、色々な「なるほど……」が書かれています。私も息子が事故
に遭うまでは保険の事は「何ひとつ分からない」と言ってよいほどでした。自賠責保
険とは? 任意保険とは? その仕組みは? 何に対して支払われるのか? 必要性
は? そうしたことがこと細かに書かれていて、「任意保険は絶対必要!」という事
がよく伝わって来ました。一方で、保険会社による払い渋りの実態が、死亡事故や重
度後遺障害の被害者の実際の闘いをとおして紹介されています。そのほか、「自動車
保険の知識が乏しい弁護士もいる」「契約内容確認書を甘く見てはいけない!」と
いった実例や、「契約時の必須チェックポイント10カ条」が分かりやすく書かれて
います。必見です!! 泣き寝入りしないためには、できる限りの「証拠保全」が鉄
則なのですね。「人は嘘をつくが、車のキズは嘘をつかない」という言葉は、私たち
も経験しましたが、そのとおりだと思いました。(被害者の母)