奥さんとの奇妙なコンビネーションと面白がりのセンスの絶妙さには夫婦の鑑を見るようだ。
奥さんは、ウグイスの鳴き声を聞いて、
「アレは長唄だかトキワズの師匠のトコに稽古に行った帰りで、おさらいをしながら。ついその先まで鳴いては見たが失敗してしまって鼻白みながらすましているところである」(記憶を頼りに書いているので文脈とは異なります)と決め付けたり、マヨネーズのフタを開けられないカラスをネタに「そんなんで頭いいとかいわれてんじゃねーよ!」と毒づいてみたり、フツウならさらりと通り過ぎてしまう些事をトコトン楽しむ術に長けておられる。
そうか、幸せに・・・
お金はかからないんだよな。と、当たり前だけど深遠な事実に思い当たる。
老境に入ってから、突然の創作意欲に従う芸術家肌のお母さんの話もすごく好きだ。
嫌なことがあったときには、繰り返し頁を繰りたい一冊。