いわゆるプログレならではの壮大な世界観を、ヘヴィ・メタルのフォーマットで演奏する究極の様式美がプログレ・ヘヴィ・メタル。その雄ドリーム・シアターの7thアルバム。組曲風の楽曲を含みつつも、2枚組の大作だった前作『シックス・ディグリーズ・インナー・タービュランス』から一転し、今回は、ザクザクと刻まれるギター・リフに代表される、より本来のヘヴィ・メタルに傾いたパワフルなサウンドを展開。これぞプログレ・ヘヴィ・メタルの見本! と言える作品になった。彼らならではの世界を緻密かつ臨場感たっぷりに作り上げている。(山口智男)
「メタル的でパンチ力のある」アルバムです!!!
★★★★★
2003年、DREAM THEATERのアルバムです。
今回は、非常にヘヴィ、パワフル、タイトな作品に仕上がっています。
DREAM THEATERのルーツには、プログレとメタルがありますが、
METALLICA, IRON MAIDEN etcのメタル・サイドに大きく比重を置いたアルバムです。
楽曲は、即興的に作曲したものではなく、作りこんだ感じの曲です。(作曲→演奏といった感じです。)
ズンズンと猛突進するような、迫力ある曲が並びます。
バンドの一体感が素晴らしく、「最もパンチ力のある演奏」といってもいいと思います。
「Portnoy & Myungのリズム隊の鉄壁ぶり」、「LaBrieのVoのHeavy度」ともに、レベルアップを感じます。
個人的に印象的なのが、G & Key。
PetrucciのGが、ズンズン!、ザクザク!っといった感じで、Heavyなリフを刻むのが印象的です。(「Awake」的です)
Jordan RudessのKeyは、曲に立体感を生み出し、インストパートでは、Gとユニゾンしたり交代したりと、とにかく巧みです。
特に、tr. 2で、超高速フルピッキングのGに、Keyがユニゾンをかますところは、「驚愕!」です。
また、tr. 6 "Stream of Consciousness"はインスト曲になりますが、
タイトルどおり、意識が流れるかのように、次々と劇的にメロディーが展開していきます。「圧巻!」です。
「全7曲中、5曲が10分超」「Heavy」「音数が多い」ので難解と捉えられているようですが、
個人的には、結構、聴きやすいと感じています。
「DTファン」には、マストCD。
「プログレメタル・ファン」「Heavyな音楽が好きなDT初心者」にオススメです。
DTの頂点をなす作品。
★★★★★
多くの方がレビューされているように、わたしもこのアルバムが『凄すぎる』ことに
気づくのにはなぜか時間がかかりました。なぜなのか自分なりに考えてみましたが、
やっぱりその理由は『凄すぎる』からなのだろうとの結論に達しました。
イメージズアンドワーズが彼らの最高傑作であるとする方は多く、わたしも
それに異論はないのですが、彼らの音楽性の頂点がI&Wなら、彼らの技術の頂点が
これだと思います。卓越した技術で知られるDTのゆえに、このアルバムをあえて
双璧のひとつとしたいところです。
すごすぎてちょっと疲れちゃった。
★★★★☆
どんどん進化しているのはさすが。
曲構成はまたまたハイパーな強引さだ。唖然とするばかり。
テクニックはもとより、アレンジというか、引き出しというか、表現力というか、
確実にレベルアップしてる!
M2「This Dying Soul」11分超える大曲だがもうこのヒトたちには屁でもないのだろう。
エンディング、このスピードでギターとキーボードがユニゾンって…やっぱりありえん。
M7 14分超え ひえぇ〜っ、お疲れ様!
集中力のあるときにしか聴けない、どっか行っちゃってる世界観。
ついて行けなさで若干ポイントダウン。申し訳ないが☆4つでどう?
80年代サウンドをモダンに進化
★★★★★
80年代のメタルシーンにおいてアイアンメイデン、メタリカの影響はそれを手本にその後に続き活躍することとなるバンドにとってほんとに偉大な存在なのだと実感するアルバムですね。そしてDTもその例外ではなく彼等の音楽的基盤にはいつも彼等の存在があるのがわかる。今作はその影響をわかりやすい形で抽出してそれに彼等のオリジナリティを加えて完成させた作品だと言えると思います。今作では曲作りの途中からジェイムズ・ラブリエが初めて参加し、そのためか印象的なメロディが満載で屈強でヘヴィなサウンドに負けない存在感を示している。特に最終曲のIN THE NAME OF GODにおけるメロディの強力さと言ったら感動を覚えるほどである。 そしてメロディだけでなくいつものようにインスト陣もSTREAM OF CONSCIOUSNESSという曲で大暴れしている。この曲も10分以上の大作だが全く飽きが来ない、非常にスリリングな展開の曲です。彼等の特徴であるプログレッシブな要素も収録曲7曲中5曲が10分越えということからもわかると思います。
前作の実験的なサウンドから離れシンプルにメタルバンドあることの強みを全面に押し出した快作である。
聴けば聴くほど
★★★★★
実はこのアルバム、発売当初に一聴して、それ以来5年間聴いていませんでした。
彼らのアルバムは、馴染んで好きになるまでに多くの時間(相当の聴き込み)を
要することは認識していたのですが、それにしても従来のアルバムと比して第一
印象が悪すぎた。1回目に聴いた時に引っかかるもの(これ、何回か聴いていた
ら好きになりそうという感覚)がなかったんです。
ところが、今年、ニューアルバムのリリース(すばらしかった!)を契機に過去
のアルバムを調べているうち、このアルバムの評価がとても高いことに気づき、
改めて引っ張り出して聴いてみたら、これが本当に素晴らしい!!
皆様の評価が潜在意識として刷り込まれた部分はもちろんあると思います。
でも、今まで聴いてこなかったことを大変後悔しました。
ヘヴィではありますが、決してメロディを軽んじてはいない。
「Endless of Sacrifice」「Stream of Consciousness」などは過去のどの作品
にも負けないくらい美しい曲です。かつ、ものすごく丁寧に作りこまれた感を
持ちました。導入部からクライマックスまで実に丁寧に編みこんであります。
実に聴き手に親切に作られている。彼らの演奏とともに山頂を目指して一歩一歩
歩いていくような感覚が味わえます。そして、山頂の景色は最高です。ここまで
一緒に歩いてきて本当に良かったとの感動をきっと味わえるはずです。
本作を気に入った方は、ぜひ併せて『Live at Budoukan』(DVD)も観てください。
ライブ行きたかったと思うはず・・・
もっと早くこのアルバムの良さに気づいていればと思わずにいられません。
ニューアルバムは本当に良かったのですが、ここ最近、このアルバム、ライブDVD
ばかり聴いて(観て)います。