初心者にはわかりにくい。
★★☆☆☆
日経文庫として、わかりやすく書いているという努力は理解できますが、初心者には理解し難い部分が多かったです。
特に、会社の経営方法による分類などは、まったくの初心者にはほとんど理解できないと思います。
少しは知識のある私でも、眠たくなりましたから。
教科書を要約した新書として、まずはもっと詳しい書籍を読むことをお勧めします。
ビジネスの観点からの理解
★★★★☆
取締役やその他の役員(監査役や会計監査人等)の役割や権利義務等について、「株主主権の原則」「ビジネス・ジャッジメント・ルール」といった原理原則を軸に、ビジネスの実態に即した説明がなされており、役員の何たるかを総合的に理解するには非常に有用だと思います。
新会社法でより自由度が高まった機関設計についても、なぜそのようなパターンが可能なのか、できるだけ原理原則に照らして説明がなされており、ただ条文が羅列されているだけの書物に比べて格段に理解が進むと思います。
株式会社の意味があらためてわかる
★★★★★
取締役とは委任契約に基づく専門職であるとは常日頃の著者の主張であるが、新たに改正された会社法に照らして役員の責任について面白く明確に説明されている。著者の知識と見識はアメリカのビジネスジャジメントの意味にまで言及し、企業のアイデンティティを明らかにしてみせ、また被告と被告人の違いなど意外と理解されていない法律用語にも触れ、読んでいて役員でなくても新会社法の歴史的意味、目指す新社会というものが自然と理解できるようになっている。ボード無き会社こそ株主主権という株式会社の基本形であるというメッセージに目からうろこが落ちた。