いよいよ大きな転換が求められる出版業界
★★★★☆
2007年〜2009年の出版状況のトピックスと、それについての考察をまとめた本。
この時期は中小の出版社の廃業、取次の再編成、印刷会社の介入などが目立ち、
全体的に暗いニュースに覆われている。
日販、CCC、MPD、ブックオフの関係について、やけに重点を置いている観は否めないが、
中古書店、複合書店の拡大により、売り場がエンターテイメント偏重になり、
それが出版物全体の脆弱化につながっているという点は、確かに一因ではあると思う。
また日本の返本率の高さと、再販制への問題など考えさせられる事実が多くあった。
ただ、電子出版やデジタルデバイスへのことについての表記や先見性が見られず、
あくまでフィジカルな雑誌、本の流通という点からしか見ていない印象。