わたしは、かつて環境と経済の双方がいかにかかわりあうのか熟慮したこともあったが、本書をなんとか通読できてはじめて環境に取り組む経済学をかいま見れた。本書から得られる経済学的な考え方のあり方は、示唆に富んでいる。経済を専門としないわたしには、柔軟な読解力を必要ともされたが、古典的良書を読んでおけば、いたずらにながされたりはしないであろう。現代のグローバル化による諸問題については客観的に理解できることをはじめ、環境や公害の現場を体験するものにとっても有益なヒントを教示いただける。専門でないひとにとっても環境対策の根本を、人間の視点から俯瞰できる。
20080520神戸甲南にて