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家族は孤独でできている

価格: ¥1,500
カテゴリ: 単行本
ブランド: 毎日新聞社
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普通っていったいなんだろう ★★★★★
石川結貴といえば、あの「ブレイク・ワイフ」の作者さんですよね。
今回の内容も、『サンデー毎日』に連載されていた「孤家族のゆくえ」を再編集したもので現在の様々な家族の形が取材をもとにかかれています。
そう、ノンフィクション!なのですが、読み進むだに、「これって本当の話なの?」と目が点になるエピソードばかりです。
何せ、第1章の”飢える子どもたち”ででてきた子どもたちの食事の内容というのがいきなり、

ご飯の上に駄菓子とマヨネーズの「駄菓子丼」
焼肉やウナギのタレをかけただけの「タレ丼」
幼稚園のお弁当に「コーンフレーク弁当」

なんだよね。しかも、たまにじゃなくて、ほぼ毎日コレ。
もちろん、私も食事が手抜きになっちゃう事は多々ありますが、それでもレトルトやインスタントだよ。

でも、取材を受けてるママ達は別に悪びれてないんだよねー。
「子どもが喜ぶから」
「ままごと感覚で楽しいみたい」
「キッチンを使うとマンションの査定に響くから」
「節約のため」
などなど。

他の章でも、パラサイトファミリー、ヨン様ブーム、離婚、介護、お受験などいろいろな事がとりあげられていますが、読んでいて一番感じたのは、

普通っていったい何なんだろう

という事でした。
エピソードにでてくる人は皆、行動の背景に「これが普通」「これが人並み」っていう価値観が共通してるんだけど、やってる事はそれぞればらばらなんだよね。

中流が一番しんどいっていう言葉に妙に納得でした。
それでも家族だった。 ★★★★★
そもそも家族とは、そんなに通じ合えるものなのだろうか。
著者の石川結貴氏は、あとがきで上のように述べている。

その言葉を発した経緯は、読めば痛いほどに分かるはずだ。
通じ合うのを拒んだ人、がんばったけど通じ合えなかった人。
誰もが「家族」を荷物のように、抱えている。

もちろん、読む側の私も例外なく、だ。

だが読了し、家族を思い、ふと気づいた。
通じ合えなくても、家族ではなかったか?

この本は家族でがんじがらめになっている人に薦めたい。
家族との付き合いが、少し楽になるような気がする。





『家族』というサスペンス ★☆☆☆☆
 本書を読んで、10年ほど前、ホームヘルパーをしていた友達が、しみじみと言った言葉を思い出した。「『サザエさん』みたいなうちは、ない」―。まあ、そうかもしれないな、と当時の私は軽く受け流していたが、今回、改めて、その言葉の深さ、重みを認識させられた。
 最初、寝転んで読んでいたのが、いつしか引き込まれて止まらなくなった。まるで、桐野夏生か天童荒太のサスペンス。そして、これが、フィクションでなくノンフィクションだという事実に、圧倒される。「家族」というものが、いかに「平和」とはかけ離れた「サスペンス」に満ちたものであるかを感じさせられる。本書のモデルケースが特別なのではない。夫婦、親子、きょうだい…。時代という背景を背負いながら、その関係は常にサスペンスフルなのではないか。なぜなら、「他人」でないから。「情」や「愛」が呪縛のように絡んでくるから。
 それでも、「家族」はあっていいものだと思うし、子供らにも、自分達の家族を作って欲しいと思う。が、本書の最後にもあったように、その「家族」のあり方は、今までの「家族像」とは違うような気がする。
家族する、孤独する中での新しい幸せの形 ★★★★★
全5章、餓える子どもたち、主婦はどこへ行く?、家庭内ピエロになる夫、親と子の愛憎葛藤、明日への不安、からなる。

長年、家族問題の取材を続け、信頼を得た筆者ならではの本音のルポの数々。

あきれ驚く子どもの食育不在の現状。身につまされる夫や姑の悩みやあきらめ。妻の耳を疑う衝撃的な告白。経済や暴力の切実さ。

様々なケースを万遍なく検証し、人々の状況と刻々と変わる心理を全身で受けとめる筆者。紛れもないそれぞれの現実が、手に取るように私の前に立ち現れた。

しかしどんな問題の渦中にあろうとも、彼らは生き続けていこうとしている、「ふつうの」幸せを求めて。前を向いて生きていくためには、妻も夫も家族を丸抱えで背負い込んじゃいけないし、家族を邪魔にしてもいけない。

昔かたぎの万能な「正しい」家族は、もう存在しない・・・。家族と孤独のあいだを行き来して、たまにうまくいく、たまに通じあえれば、家族はやっていける。

筆者は、そんな心構えを示してくれた。

みんな家族に何を求めているの? ★★★★☆
最初は「駄菓子丼」とか「タレ丼」とか、「ありえな〜い!」話ばかりなんだけど、
バッシングされつつある主婦の立場とか、妻に管理される夫の立場とか、
お受験に巻き込まれて「母親化」する父親たちとか、
どれもこれも身につまされる話ばかり。
この本のスゴイところは、本当に様々な家族のカタチが集められているところ。
「家族の中で孤独だったから」ヨン様、「家族から離れて一人で行動したかったから」ヨン様。
同じ現象でも動機が違う。家族の数だけ、いや、人間の数だけ意味が違う。
みんな、現実に押しつぶされそうだ。
自分の求める家族のかたちとのギャップに。
自分のところはどうだろう。それでも家族でいる意味って何だろう。
いろいろ考えさせられました。