TOEFL 対策にぴったり
★★★★☆
TOEFLで理系問題の単語と背景知識を抑えたい人には最高にいい本。 但し、CDがついてないので、★4つで。
掲載単語が絶妙! 理系院試の英語試験対策に使えそう。
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むかし大学院の試験勉強をしていたときは、英字新聞の科学記事をスクラップして辞書で単語を調べて…、ってかんじで勉強していたことがあるのですが、この書籍ではまさにその辺の単語が掲載されていて、さらにそれを使った英文まで載っているので、理系院試の英語対策にも使えそうです(もちろん過去問対策は必須です)。
これが10年前にあったらなあ…。
とはいえ、科学の記事を読みたいと思ったことのある人だったら、この本は文系の人でもガンガン読み進められると思います。日常的に見たり、聞いたり、使ったりする、科学の英単語がこれでもかと言わんばかりに凝縮されているけど、難しい科学用語はカットされているからです。
例えば、岩石の項目だったら「結晶」、「石灰石」、「鍾乳石」、「大理石」、「風化」、「石英」などが登場しますが、「流紋岩」とか「安山岩」とか科学系の英語の学習書にありがちな「教科書でしか見たこと無いよ…」という単語は一切含まれていません。あくまでも、「一般常識レベル」というのにこだわっているみたいです。
なので、モチベーションを保ったまま最後まで行けると思います。
英語のレベルが中級以上の人がこれを読み終わったら、科学系の英語の記事はかなり読めるようになるんじゃないかな?
元理系学生の方にオススメ
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私は元々理系の大学出身で、在学中はよく海外の研究論文を読み漁ってました。今は、研究職じゃなく普通の会社員なので、理系の英文に触れる機会があまりない状態だったんです。
そんな中、友人からこの本を紹介してもらったんですが、文章自体はサラッと読むことができ、『英文を読む』というよりは『科学のトピックを読む』といった感覚で楽しく読めます。
最近は1日1ページずつ、毎晩寝る前にじっくり読むのが日課になってます。
グローバルな人材競争の時代にあるべきものがやっと出てきた
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私はかれこれ10年、塾・予備校で大学受験生に英語を教えてきた。近年、早稲田慶應といった私立大学の理系はもちろんだが、文系理系いずれの志望者も共通の問題を解く旧帝大の入試英語でも、自然科学関連の主題を論ずる英文が出題されることが多くなってきた。東北大などは、年によっては文系学部の存在を忘れているかのような雰囲気すらある。
だがしかし、日本で生まれ育った人が、公立でも私立でもよいが、日本の学校で英語を学習していると、科学技術関連の英語語彙がすっぽり抜け落ちる。理系高校生ともなれば、数学はかなり高度なことまでやるのだし、物理はともかくとしても、生物・化学ではかなりの数の語彙に接する。しかし、それらを英語でなんというかを知ることは少ない。
その結果、優秀な基礎知識を得て理系学部に進学した学生でも、日本語文献しか読めなかったり、少し専門がずれるだけで英語による記事は読めないということが、学部や修士課程で頻発しているらしい。しかし大学入学以前の英語学習にああまできれいさっぱり自然科学語彙との接点がないのでは、無理からぬ話だ。英語が必要なのは国外の人間と情報を共有するためであるはずであり、国外の人間後情報を共有する必要性のもっとも鋭いのが科学者、技術者であるはずだ。であれば、日本人が実用性のある英語を学ぶというのなら、もっとも習熟機会を多くすべき分野は基本的な自然科学知識の領域であろう。
実際、大学受験生でも、「この概念は英語でなんて言うの?」「この証明を英文で書くとどうなるの?」という好奇心を示す者は少なくない。そうした好奇心を満たせる手頃な書籍がないかとずっとさがしていたが、この『カガク英語ドリル』は完璧に適合していると思う。
出版者のコンセプトは理系学部に進んだ大学生が National Geographic, Nature, Science といった文献に入って生きやすいように語彙を選定したようだが、実物を見た感じでは、大学進学以前でも愉しんで読めると思う。
とくにエンジニア、研究職の人であれば、本書の英文はきわめて平明なものなので、基礎英文法くらいは既に終えた中学1、2年生以上の子どもと一緒に読む、知的家族団らんの素材にすることも出来ると思う。
2年ほど前、私の生徒に、父親の書棚から引っこ抜いてきたという Cell を読もうと格闘している女子高生がいたことがある。学力格差の世襲ということが言われるようになってきたが、それは私の実感にも添う。上位層はゆとり教育の弊害とは無縁だし、知識教養の早熟さは昔より高まっているように思う。時代の要請ということを考えても、本書のような若い学習者に自然科学全般に雑学的に、しかも英文で触れられる教材は、理系重視の私立進学校が授業用の教科書に使っても面白いのではないだろうか。
教育というものが社会の人材確保に資するべきものであるならば、本書のような知的愉しさに満ちた企画が現われたのは、実に頼もしいことだと思う。